立花彩には背後霊が居たようで

お泊り ページ22

黒木君のおかげもあって、私は無事忍の家に泊まることになった。

荷物をまとめてる間、凄くモヤモヤしたんだ。




きっと忍のそばに居れば、彩樹……いや死神が私の命を狩る事は出来ない。

でも、このまま、ずっと泊まらせてもらう訳にもいかないし、逃げてるだけは嫌なの。





私って我が儘だなぁ。


ボーッとしながら荷物を抱えて、忍の家に向かう。





私はどうしたいんだろう。

逃げたくないなら、死神と戦いたいのかな。



でも、死神に人間が勝てるわけないよね。





私の考えは矛盾ばかりして、忍の家に着いても、その答えが出ることは無かった。




家に着くと途端に、忍は快く迎えてくれたんだ。


「立花、前とは違う部屋を用意したからな。
　奥から2番目のところ。

　荷物置いたら、ダイニングに集合だ。
　若武たちが待ってる。」



忍の美しい笑顔が私の心を照らす。



ん……ありがとう！

忍の笑顔を見ていると、少しだけ気持ちが晴れた気がした。





今、分からないものを悩んでもしょうがない。



それよりも、今の私に出来ることは急いで荷物を置いて、集合すること！

1秒でも速く！




私は走って部屋に行き、扉を押す。

すると、そこには緑一面に花がたくさん咲き誇っていたんだ！




鮮やかな花は、それぞれが互いを主張し合っている。




わぁ、綺麗！

忍はもしかしたら、私に元気が出るように、この部屋にしてくれたのかな。



私の心が少しでも癒されるようにって。






……自意識過剰、かな。


自然と上がった口角を少し下げ、ダイニングへ走った。







きっと大丈夫。

彩樹が死神だとしても、私にはKZが居るから。




私の命を狩ろうとする者が居る代わり、私の命を守ろうとする者も居る。




負けないよ、彩樹！

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