立花彩には背後霊が居たようで

背後霊 ページ3

ふわぁ。


カーテンから光が漏れる中、私はゆっくり体を起こした。




今日は土曜日で、何もない。

少し前の私ならつまらない、と言っていただろう。



でも、今は、とても楽しい。


だって、私にはいつでもお話相手がいるもの！



「彩！おはよう！」

元気良く挨拶をする私の背後霊。


私はそれに答えるように、ニッコリ笑った。

「背後霊、おはよう！」


背後霊は、そう言った私の頭を即座に叩いた。

叩いたって言っても、背後霊は私に触れられないから、叩くふり、だけどね。


「むー！背後霊って呼び方はやめてって言ってるでしょ！
　僕みたいに可愛い名前にしてよ！」

背後霊は頬を膨らませた。


でも、急にそんなこと言われてもなぁ。

てか、さりげなく、僕みたいに可愛いって言ってるし。



少しナルシストが入った背後霊は、今日も一日元気そう。


ふと、考える。

背後霊の名前を。


今まで、流れで背後霊と呼んでいたけど、
たしかにちゃんとした名前がないと可哀想。


う〜ん、でも、どうしよう。



そんな急に思いつかないなぁ。




そうだ！

明日の日曜日に、KZ集合があるから、
その時に、KZのみんなに聞いてみよう！


もちろん、背後霊のことは伏せて。




そう思ったら、楽しくなってきた！



「彩？どうしたの？」

何も話さない私を心配したのか、背後霊は顔を崩した。



私は、背後霊の顔を見て笑った。

「背後霊、明日、楽しみにしてね！」



その言葉に、背後霊は、また顔をしかめた。

「だから、僕は背後霊って名前じゃない！」


背後霊は怒ったが、私の心の中は温かかった。

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