立花彩には背後霊が居たようで

真の正体 ページ19

若武の家へ着き、書斎へ向かう。





あれ、今日は集合なんてかけてないよね。

事実、私は呼ばれてないもの。




不思議に思いながらも、忍に聞ける雰囲気ではなく、ただついていった。




そして、書斎の目の前まで来て、忍が扉を押し、元気に笑ったんだ。


「ただいま、立花は無事生きてるぞ！」



そう叫んだ瞬間、KZ全員が私に向かってダッシュ！




「アーヤ心配したんだからな！」

「無事で本当に良かった。」

「アーヤが死んじゃったらどうしようって考えてたよ。」

「お帰り、無事で何より。」

「心配かけすぎないでよね。」





辺りは収集がつかない状態！


パンクしそうな頭の中で必死に言葉を探した。

「みんな、どうしたの？
　どうしてそんなに慌ててるの？」




すると、KZは目を合わせ、キョトンとする。



「何が起きてたのかわかってないのか。」

「まあ立花だし。」

「それが良いところでもあるよね。」

「でも、流石に心配になるね。」

「心の友として少し不安。」

「ん、でも、生きてたからセーフっしょ。」





ちょ、ちょっと！

今、絶対に馬鹿にしてたでしょ！？


それに私が分からないまま、話を進めないでっ！




私の心を読み取ったか、黒木君は甘い瞳で見つめた。




「とりあえず、席に座ってアーヤに状況を話そう。
　どうやら、当の本人は気付いていないようだし、ね。」

ありがと、黒木君。




全員が座ると、若武はゴホンとひとつ咳をする。

「では、何があったか、調査員七鬼に話してもらおうか。」



うっ、相変わらずのカッコつけたがり！

でも、天然な忍はそれを華麗にスルーし、話し始めた。




「今回の事件は、かなりやばい幽霊事件だ。」



ガクッ！

なんてネーミングセンスの無さ……。



思わず、若武以外の私たちは肩を落としたんだ。

そんな空気に気付きもしない忍。





「まず、結果から言う。
　立花が今見ている幽霊と思われる存在は、“シニガミ“に属する。」



シッ、シニガミィ！？

シニガミって、死に神と書く、あの死神！？




「まず、何故それに気付けたか。


　俺が最初に疑問に思ったのは、立花が俺に見える幽霊等について聞いたところだ。
　立花がそんなのに興味を持つとは思いにくいし、そういう学習調べも浜田ではやっていない。

　そこでまず立花の周りについて調べることにしたんだ。」


ペラペラと話している忍を差し置いて、私は唖然としていた。



嘘でしょ、彩樹が死神なんて……。

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