全て当てはまらない真実 ページ18
彩樹は手を後ろにまわして、30度ほど頭を下げた。
「ごめん。ずっと、ずっと、嘘ついてた。」
下がった頭のせいで表情が読めない。
けれど、言葉に重みを感じたんだ。
声も出ずにジッと見つめている私。
もし、ここで声を出してたら、何か変わったかな。
突然、彩樹はパッと顔を上げ、鋭い鎌を私に向けた。
どこから出て来たの!?
そう思った途端、ハッと思い出す。
彩樹の手が後ろにまわっていたことを。
この大きな鎌を背中に隠してたんだ、きっと。
「彩……本当にごめんね。」
呟かれ、鋭いが思いきり降りかかってくる。
危ないっ!
咄嗟の判断で刃を避けたものの、勢いで床に倒れた。
彩樹はもう一度刃を私に向けて、その腕を降ろしたんだ。
あぁ、もう避けられない。
そう思った瞬間!
私の部屋の扉がバタッと大きな音を立てて開く。
その方向に目線を向けると、息を切らした忍が居た。
「アジャラカモクレン、テケレッツのパー!」
謎の言葉を叫んだ後、二回、パンパンと手を叩く。
途端に彩樹はグッと苦しそうに胸を押さえたんだ。
「邪魔が入った……。」
黒い霧が周りにブワッと広まり、彩樹は姿を消す。
え、っと、何が起きたんだろう……?
ポカンと倒れ込んでいると、忍がゆっくり近づいた。
そして、手を伸ばす。
「立花、大丈夫?」
よく分からず、忍の手を掴み、コクンと頷いた。
「大丈夫だけど……。
どうしてここに忍が居るの?」
他にも聞きたいことがあったけど、今の状況ではそれしか聞けない。
混乱する私を見た忍は、しゃがんで私の背中をさする。
「訳はあとで言う。
とりあえず、若武の書斎へ向かおう。」
私の手を優しく掴んで、引っ張った。
忍の瞳はいつもより暗い色をしている。
なにが……起きたんだろう。
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あき@草売り大魔王(プロフ) - ツキさん» ありがとうございます!!始めは結構ギャグ的なものが多いので、笑ってもらえてうれしいです!更新頑張ります!(笑) (2020年4月8日 16時) (レス) id: 8824d19027 (このIDを非表示/違反報告)
ツキ - 沢山笑ってしまいました!更新頑張ってください! (2020年4月8日 16時) (レス) id: ec2bb43d30 (このIDを非表示/違反報告)
未胡成(プロフ) - 無名さん» 分かりました! (2020年2月25日 19時) (レス) id: 1aec104bc7 (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 未胡成さん» そんなこと言ってくれるんですか!?ありがとうございます!作品紹介は、この話も続くか分からないので、また今度でいいですか?でも、誘っていただけたのはすごく嬉しかったです!これからも、がんばります! (2020年2月25日 19時) (レス) id: 62d44e9483 (このIDを非表示/違反報告)
未胡成(プロフ) - なんで評価のボタンは10しかないんだろう...100まであれば良いのに!!!!!!お話が面白すぎます!とてつもなく応援しています!!私の作品で紹介しても良いですか? (2020年2月25日 18時) (レス) id: 1aec104bc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あき@草売り大魔王 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp
作成日時:2020年2月22日 18時