立花彩には背後霊が居たようで

ドッキリ返し ページ11

家に帰ると、手を洗い、自分の部屋へ向かった。


部屋の扉の前に立ち、深呼吸する。


背後霊、きっとビックリするだろうな。

喜んでくれるかな？



勢いよく扉を開けた。

「背後霊。」


すると、そこに背後霊は居なく、奈子が居たんだ。

奈子は首を傾げてる。

「背後霊……？お姉ちゃん、どうしたの？」


し、しまった！

この部屋は奈子と共同だし、背後霊が居ない可能性だってある。


それなのに……やってしまった。




慌てて誤魔化そうとする。

でも、上手い言い訳が思い浮かばなかった。


すると、奈子は目を輝かせる。

「お姉ちゃん……お化けが見えるの！？
　どんな見た目なの？

　奈子、見たことないから羨ましい！」



あ……こいつ、馬鹿だった。

救われたような……心配なような……。


呆れた目を向けていると、奈子は更に喜ぶ。

「今、奈子の前にお化けでも居るの！？」



……この視線、お化けに向けてると思ってる。

奈子に向けてなのに。



思わずため息をつき、奈子の頭を撫でる。

「お化けはおやつ食べてきなって言ってるよ。
　下でお菓子でも食べてきたら？」


奈子は元気良く返事をして、部屋から出ていった。



ふぅ、奈子がトロくて良かったぁ。

もし奈子以外だったら、一瞬でバレてたよね……。



って、背後霊はどこだろう？

「彩〜！」

「ひゃっ！」


驚いて変な声が出る。

突然背後霊の声が後ろから聞こえたのだ。


慌てて振り返り、肩を落とす。



相変わらず、突然の登場。

もう少し静かに出てこれないのかな……。



「彩、そんな目で見ないで。
　流石の僕でも傷つくよ。」

冗談まじりに背後霊が言った。


「背後霊にせっかくプレゼント用意したのに、残念だなぁ。」

そう言うと、背後霊は面白いくらいに反応する。


「プレゼント！？なにそれ！
　さっきのことは謝るから、プレゼント頂戴よ！
　
　僕、プレゼントなんてもらったことないんだ！」


ふふっと笑い、私は言った。

「背後霊、あなたの名前は今から“彩樹“だよ。
　私から最初で最後のプレゼント、背後霊の名前。」


すると、背後霊はさっきの慌てぶりが嘘のように静まり返る。



……嬉しくなかった！？

もっと高価な物とか想像してたのかな？


そうだとしたら、申し訳ない……。



恐る恐る背後霊の顔を覗くと、背後霊は泣いていた。


な、泣くほど嫌だった！？

嬉しくて涙？→←背後霊の名前決定

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