絡まる絆は知っている

愛の力 ページ40

「人間はなにかを愛することが出来る。
　例えば、私は家族や仲間を愛しているの。」




天使の双子は、“だから何？”と言わんばかりの顔をしている。



「愛は偉大なんだ。
　愛があれば、なんでも出来るから。
　
　事実、私は探偵チームフレンドに愛された時、学力でトップまで登り詰めた。
　


　ただ、愛を間違えると、憎しみが生まれるのが、人間の悪いところ。


　天使の双子の気持ち、よく分かるよ。
　お姉ちゃんが大好きだから守りたいんだよね。」




すると、天使の双子がブワッと顔を赤くした。



やっぱり図星だよね。

私も、大切な家族を守りたいと思うもの。





クスッと笑みがこぼれる。


「別にあなたのことを憎んでいない。
　でも、これ以上、被害を増やさないでほしいの。


　私たちみたいにしてほしくない。


　悪いことを重ねると、いつか心は腐るんだ。
　腐った心はなかなか元に戻らないから。」




ジッと目を見つめると、天使の双子が大きくため息をついた。

「……彩って馬鹿がつくほどのお人好しだね。」



え？




「なんか、分かった気がする。
　お姉ちゃんが彩に構う理由が。」

天使の双子はふにゃりと笑い、私の前に手を差し出す。




「彩、約束するよ。
　もうあんなこと誰にもしないってさ。」

少し頬を染めた天使の双子は、お人形さんみたいに綺麗だった。




あぁ、気持ちが伝わったんだ……！

嬉しさを胸に抱き、私も手を伸ばして握手する。




顔を柔らかくした天使は言った。

「やっぱり彩は凄いわね。」



えっと、ありがとう……？




首を傾げると、天使の双子は優しい瞳を煌めかせる。


「私、なんだか彩のことが好きになりそう。
　お姉ちゃんみたいに、ね。


　でも、やっぱり人間は嫌いかな。

　世界中の人間が彩みたいな心を持ってみれば良かったのに。」


私は、突然褒められたものだから、少し俯いた。



面と向かって褒められるのって、恥ずかしいな…。

でも、嬉しいっ！





だって、自分の心の美しさが認められたってことでしょう。

しかも天使二人から！




「彩、そろそろ戻る時間よ。
　長居は無用。

　どうか、KZと仲直りをして。」


うん、ありがとう！

KZのみんなが私を裏切った理由がはっきりしたから、きっともう大丈夫！




すると、天使の双子が控えめに言う。

「ごめんね。
　私のせいでこんなことになったんだけど、ひとつお願いがあるの。」



どこか深刻なトーンに、私は耳を傾けた。

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