絡まる絆は知っている

愛したい　砂原side ページ26

俺は今、あらゆる場所に向かっては、彩を探している。

でも、向かうところに彩はいない。



……っ！

どこにいんだよ！



彩との出会い場所の浜田中に、
彩と友達になった公園に、
彩にチョコをもらった路地裏に、

……数えたらキリがないほどの思い出の場所へ行った。




彩……出てこいよ。

みんな、お前を心配してんだぜ？



俺もフレンドも、そしてKZも。

なんで、よりによって、このタイミングで消えるんだよ。





まさか……見てたのか？

フレンドとKZが話していた光景を。


そう考えると、消えたタイミングにも理由がつく。



……そんなわけないよな。





それにしても、俺はいつも守れねぇのか？



遠く離れてるからという理由で、彩をすぐに守れなかった。

ただの……言い訳のせいで。


好きな女を傷つけ、次第には見失う。




俺なんか……彩を好きでいる資格がない。

でも、好きなんだよ。


真面目なところも、トロイところも。



全部が好きなんだ。

手放せねぇ。




俺は彩よりも弱い。

それでも……好きで居たいと願う。



こんな俺でも好きで居ていいのか……？





苦痛を胸に、もう一度、浜田中に向かった。

今なら居るんじゃないか、そう思ったから。



浜田に着くと……そこには彩が歩く姿が見えた。





考えるよりも体が先に動き、彩の腕を掴んで止める。



……なあ、もう一度聞く。

こんな俺でも好きで居ていいのか？




彩、また俺に笑ってよ。

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