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失態 ページ14

私は彼らの横を静かに通り過ぎようとした。


もう、私は縛られない。

自由になるんだ。




そんな思いを抱きつつ、私は手を握り締めた。

そして、赤の他人を装い、通り過ぎる。




フレンドのみんなは、気づかずに通り過ぎてくれた。





喜びを感じたが、そんな気持ちさえ、一瞬で失せる。

なぜなら、たった1人だけ、私の腕を掴み、強い瞳で見つめてきたからだ。




「なあ、お前……。」

綺麗な紫色の瞳が煌めく。





そう、忍……いや、七鬼さん。

私は驚きを胸に秘めて、冷たく彼を見た。




記憶は消えたんじゃないの?


他のフレンドを見る限り、私を覚えていないよう。





彼は特別な人で、妖力を持っている。


だから、天使の力が効かなかったとか?





私は思考を巡らせてる時だった。



片山さんが話す。

「七鬼、そいつ、お前の知り合いか?」





その質問に、七鬼さんは、首を横に振る。


肩から落ちる美しい髪が、私の目を止めた。

「いいや、初めて会った。」





は!?

私は彼の言葉が全く理解出来なかった。




だって、知らない人なのに、腕を掴み、わざわざ止めたということでしょ?


やっぱり彼の天然は、理解しえない。







私が肩を落としていると、砂原君も笑いながら、話し出した。


「知らないのに声をかけたのか?

 まさか、一目惚れ?」





「それも違う。こいつ、何かが変なんだよ。」

七鬼さんは私のことを指さした。






むっ、変とは何よ!

そんなのお互いさまでしょ!





私は、少しの怒りと共に、言ってしまった。

「変なのは忍でしょ!」





私がそう言うと、フレンド全員が首を傾げた。


その時、自分の犯した失態を感じる。



あっ、やってしまった……。





「なんで、俺の名前を知っているんだ?
 俺とお前は、初対面だろ?」




紫色の瞳が私の目を離さない。

ど、どうしよう!?




私は、今にも、その場でしゃがみ込みたい気分になってしまった。

懐かしい→←現実だと知っていても



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あき@草売り大魔王(プロフ) - むっちゃんさん» コメントありがとうございます!!そんなこと言ってもらえるなんて……一生家宝にしちゃいますよ!(?)更新はのんびりですが頑張ります! (2021年11月26日 16時) (レス) id: 8824d19027 (このIDを非表示/違反報告)
むっちゃん - 涙が止まりませんでした。これからも頑張ってください!! (2021年11月26日 2時) (レス) @page50 id: feee1d7f79 (このIDを非表示/違反報告)
あき@草売り大魔王(プロフ) - 菖蒲さん» コメントありがとうございます!!応援に応えられるように頑張っちゃいますよ!! (2021年9月9日 16時) (レス) id: 8824d19027 (このIDを非表示/違反報告)
菖蒲 - おもしろー!これからも、頑張れ(・v・)応援してますね! (2021年9月9日 10時) (レス) id: e522f808ef (このIDを非表示/違反報告)
あき@草売り大魔王(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます!!感動だなんて……ありがとうございます!!とてもモチベーションが上がり、もっと書けそうです(?)更新頑張りまっす!! (2021年6月20日 19時) (レス) id: 8824d19027 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あき@草売り大魔王 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp  
作成日時:2019年12月26日 19時

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