自由の翼は知っている

奇跡の大逆転 ページ22

美門「実は、俺たち、アーヤを自由にさせるために、一緒に逃げていました。」

え……？

何言ってるの……？

予想外の言葉に固まる。

美門「アーヤは誰よりも自由を願っている。だから、俺らはそれを手伝いました。」

翼……？

ねえ、なんで、本当のことを言うのよ。

他のみんなは、どうして、翼を止めないのよ。

みんなの名誉がかかってるんだよ？

これじゃあ、みんなの名誉が傷つく。

これ以上、何も言わないで……。

私のせいで、みんなを傷つけたくないの……。

美門「アーヤが悪いのではありません。俺たちが、連れて行ったのが悪いのです。」

やめて……。

もうやめて……。

兵士「本当なのですか？彩姫。」

兵士が私を見る。

そして、私は嘘をつく。

立花「いいえ。全ては私が悪かったのです。私は、彼らと少し遊んでやったのです。簡単に信じる、彼らの心を。」

周りから見ると、悪者は私。

若武たちも、私を嫌いになっただろう。

でも、いいか。

守れたならば……。

涙が出てきそう。

なぜ、泣きそうになるの。

守れたなら、いいでしょ。

ねえ、どうして、私は泣きそうになるの。

分からない……。

そんなとき、若武の声が聞こえた。

若武「俺たちはアーヤを知っている。」

若武の言葉が、なぜか胸に響いた。

若武「アーヤは、誰よりも優しい。そんなアーヤは、俺たちの心で遊ぼうとしない。」

若武が真っ直ぐ私を見る。

その真っ直ぐさが大好き。

上杉「立花、嘘つかなくていいぜ。」

冷たいけど、本当は優しい。

隠れた優しさが大好き。

小塚「アーヤ、大丈夫。僕たちなら、なんとかするから。」

いつも、安心させてくれる。

その温かさが大好き。

黒木「アーヤに嘘をつかせるのは、嫌だからね。」

ミステリアスで頼れる。

私の変化に1番に気付いてくれるところが大好き。

美門「アーヤを傷つけたくないんだ。」

私と同じ考え。

私の心を支えてくれるところが大好き。

七鬼「立花、泣きそうだ。立花の泣く顔は見たくない。」

天然だけど、正直。

嘘のない言葉を言ってくれるところが大好き。

若武「俺ら、仲間だろ？」

若武の最後の言葉で涙が溢れた。

みんなの優しさが、言葉が、全て本物と知ってるから。

仲間……。

これが仲間……。

そばに居てくれるだけで、とても落ち着く。

そして、嬉しい。

こんなに人を愛したことはない。

あぁ、これが仲間というものなのか。

愛という名の希望→←幸せは続かない？

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