突然の来訪者7 ページ42
未だにこの場から動けないでいる私達。先ほど周りを囲まれてから既に5分は経過している。チラリと兵長の方を見てみるが、彼は依然として前を見据えたままで。小さくため息をついて前を向き直した。
(外も何も動きはないようだし....)
窓の外を見てみても憲兵達は5分前と変わらず背筋を伸ばし定位置に着いている。こういう時はやたらと力を入れる癖して、巨人討伐に関してはなんの役にも立たない。金の為なら何でもする、本当に汚い奴らだ。眉根を寄せ、兵士らを眺めた。
整列した一人一人の憲兵の顔を確認する。...その中にアニの姿はなかった。まああったらあったで困るんだけど。こんな時にも思い浮かべてしまう同期の姿に、私は自嘲気味に笑う。ゆっくり前を見据えると男は待つのに飽きた様子で、手でキセルをいじっていた。そこ漂う煙が鼻を掠め、眉根が自然と寄る。奴はハーっと口から煙を吐き出し、私に問いかけた。
「お前、まだ認めないでいるつもりか？どれだけ待っても無駄だぞ？残されている選択はお前達が餓え死ぬか、私との婚約を認めるかのどちらかだけだ。」
「っ....」
悔しさに豚野郎を睨みつけたその時、「どうだかな...」と兵長が呟いた。男はゆっくりと兵長に向き直り、目の下を陰らせた。
「...何だと？」
その声と同時に私が「え？」と声を発したのも束の間のこと。私の背丈の二倍はあるだろう扉が大きな音を立てて盛大に開いた。
「動くな！！調査兵団だ！最高裁ザックレー総統からの伝令によりソレイル・ワイルダー伯爵、身柄を確保する。」
そこにいたのはエルヴィン団長を筆頭にして並ぶジャンやエレンたち。
エルヴィン団長の名を私が叫ぶのと同時に、後ろから「ぐぁぁぁぁあっ」と声が上がった。思わず後ろを振り返ると、リヴァイ兵長が....言うのも憚られるほどに世にもおぞましい方法で男を締め上げていた。
(....！まだ外には憲兵が...)
ハッとして窓に駆け寄るとさきほどまでの光景が嘘だったかのように、憲兵たちが地面に突っ伏し、砂埃が大量に巻き上がっていた。
しばらくして砂埃が落ち着いてくると、真ん中あたりに人影が見えた。目を凝らして見てみる。金髪の髪に、白いフードと憲兵団のマーク。すぐに誰だか分かり、私の口はその人物の名を叫んでいた。
「...アニ！！ 」
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ぐりーん(プロフ) - 感慨深いですね…主様の小説惚れ込んでしまいました (2023年3月4日 2時) (
レス) @page48 id: deeadad018 (このIDを非表示/違反報告)
yu - 梦雨さん» idは異なってますが、作者のyuと申します！感想いただけて嬉しいです。ありがとうございます。8年前書いてた私も喜んでると思います。笑笑 これからも進撃の巨人を愛していきましょうね！ (2021年4月12日 22時) (レス) id: 05cea5771c (このIDを非表示/違反報告)
梦雨 - 初コメ失礼します。更新お疲れ様でした…！！ついさっきこのシリーズを読み始めたのですが、面白くてあっという間に読み終わってしまいました！とても面白くて感動するお話でした…！素敵なお話をありがとうございました；；本当にお疲れ様でした！！ (2021年4月12日 21時) (レス) id: 508416840e (このIDを非表示/違反報告)
yu - あいあいさん» うおおおお？！死なないでください！？ (2014年7月3日 20時) (レス) id: ef5ac8aecf (このIDを非表示/違反報告)
あいあい - いっかい死んでくる☆ (2014年7月3日 19時) (レス) id: 264268f028 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yu | 作成日時：2013年11月2日 8時
