大体百日目 ページ31
新しい合戦場に進んで行った隊を迎えに出たとき､何と三人が怪我をしていた
A｢わ､ちょっと中傷になってるじゃん!!｣
怪我から滲み､流れる血に､怪我をしてない筈の私の方が血の気が引く
少し震える手を握りしめ､急いで怪我人達を手入れ部屋へ連れていく
A｢怪我深い人から入って!ごめん光忠､少し待って!｣
先に切国と長曽根が手入れに入ると光忠は待つことになってしまった
すぐに手伝い札を使い､一部屋開け光忠に声をかける
A｢よし､部屋空いたから光忠さん此方!｣
そんな風にドタバタとしてしまったが､全員怪我を直すことができた
A｢…ふぅ､これは､少し何とかしなきゃだね……｣
今回の手入れ部屋の数､新しい合戦場の厳しさを少し考えなくては､と
人が居なくなった手入れ部屋を軽く片付けながら考えていたら､廊下から声を掛けられた
｢なぁ､そろそろ新入りが来る頃合いだぞ｣
掛けられた声で今日の近侍の鶴丸だと気付き､急いで廊下に出る
A｢鶴丸さん､態々ごめんね
時間気づけなかった｣
そう言って見上げれば､微笑む鶴丸
｢いやいや､気にするな､切国から主は心配性で怪我の手入れを一番にしている､と聞いたからな｣
そう言われて､無意識に少し俯き呟く
A｢いや……臆病者なだけだよ…｣
｢ん?どうかしたか?｣
身長差もあり､呟いた声は聞こえなかったらしく､聞き返してきたがそのまま歩き出し鶴丸に明るい声色で声をかける
A｢さ､鶴丸さん､新しい人をお迎えしますよ｣
続いて歩く鶴丸から､何か思い付いたように声をかけられる
｢そうだ､新入りの本丸案内は俺がやるぞ｣
A｢落とし穴とかしないでくださいね?｣
そう話しているうちに､鍛刀部屋に着いた
部屋には大太刀があったため､すぐに顕現する
そうして現れたのは､大太刀からの予想に反して小さい人影だった
｢安蘇神社にあった蛍丸でーす
じゃーん､真打登場ってね｣
一瞬､隣を見たが､鶴丸も驚いていたため、蛍丸に向き直る
A｢初めまして､私がこの本丸の審神者です､これから宜しくお願いします｣
挨拶していると､鶴丸も声をかける
｢はは､驚いたな
大太刀の中に短刀みたいな見目の奴が居るとは｣
A｢こら､鶴さん｣
鶴丸の言葉に少しムッとした顔をした蛍丸に気付き､鶴丸を諫める
｢あぁ､すまんすまん
俺は鶴丸国永だ､本丸の案内をしよう､付いてきてくれ｣
歩いていく二人を見送り､私は審神者部屋へ向かった
……next
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マホ | 作成日時：2016年9月3日 22時
