33.｢オレは好きだけどな｣ ページ33
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ギラつくネオン、騒がしい声、酒の匂い。
全部
全部吐きそうだった。
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｢私の土曜日が、こんなことで消化されたなんて｣
九井｢勝手に来たのはオマエだろ｣
｢呼んだのは九井さんですけど｣
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ギラギラ
ギラギラ
そうやって光っているネオンライトに照らされて、眩しくて思わず目を細めてしまう。久々に履いたヒールで少し足が痛いけれど
構わず進んでいく彼の背中を追いかけた。
何も起きなければ、噂はもう無くなっていたのだろうけど、こうして歩くせいでまた噂がたつのだろう。
だけど彼は私のことを簡単に切り捨てることが出来るだろうし、私も彼のことをどうとも思っていない。
死んだのなら、死んだのかーという気持ちになるのだろう。
ただ、その時は顔が見えなくして欲しい。三葉くんが死んだみたいで、嫌になってしまう。
だからせめて、なんてこの考えも最低だな、私。
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別に褒めて欲しいわけじゃない。けど、せめて一言ぐらい、なんかあっても良くない？付き合ってもないけどさ。
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｢…………いたっ｣
九井｢んだよ｣
｢なんでもないです｣
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ズキズキとした痛みに思わず立ち止まって足元を見たのなら、かなりえぐい……というのか、足を怪我していた。
おそらく靴擦れと、履きなれていなくて少し痛めたのだろう。
こんなことなら履いてこなきゃ良かった。別に三葉くんとのデートを期待した訳でもない。
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ここで三葉くんと呼んだのなら、彼はどんな顔をするのだろうか。
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九井｢あぁ、そうだ。別にオレの好みでもなんでもねぇけど｣
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息が少し止まる。
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九井｢ピアスはいいと思う。少し好きなデザイン｣
｢は｣
九井｢さっさと車乗れ。その足で歩いて帰るなんて言わねぇだろうな｣
｢別に大丈夫ですもん｣
九井｢イヌピーみてぇに頑固なこと言ってんじゃねぇよ。……………ったく、なんでこうもオレの周りは意地張るんだか｣
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握られた手首
少し力を込められるも痛みなんてなくて
押し出された背中。
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この日、私の何かが変わる音がした、のかもしれない。
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ちょき。(プロフ) - 十六夜夏希さん» まだ2人とも囚われてるような感じになってます！！ 少しずつですが、物語が動き始めつつありますので、見守って貰えたらです！ コメントありがとうございました！ (2021年12月5日 9時) (
レス) id: 186429bef0 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜夏希(プロフ) - え、めちゃくちゃ切ない…。それぞれの囚われている感がめっちゃ好きです。ココの推しもっと増えろ。(笑)更新頑張ってください！ (2021年12月1日 2時) (レス) @page38 id: 1ab5df6e8d (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - ココオタクって言われてしまったうち喜んでいいのやら😩 (2021年11月30日 0時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
ちょき。(プロフ) - ちえさん» 九井くんいいですよね！！わかります！！私も好きです！ 今回は九井くんメインのお話でしかも長めのお話なので、楽しんで貰えたらです！ コメントありがとうございました！ (2021年11月28日 23時) (レス) id: 186429bef0 (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - ココが推しなのでこういう話しがもっと見たいです。 (2021年11月26日 19時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょき。 | 作成日時：2021年11月22日 13時
