ライ・オン・ライ 【 九井一 】

18.LIAR LIAR ページ18

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人生の中で、大きな嘘をついたことなんて、あんまりないと思う。








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だけど、嘘をつかなければよかったって、ちゃんと言えばよかったって、そう後悔したのは三葉くんへの気持ちだった。







こんなどうしようも無い私なんかのことを、好きって言ってくれたのが嬉しかったし。何より、彼の隣は心地が良かった。







あの時の恋は、人を好きになる意味とか、気持ちとか、その時の苦しみとか、全部を教えてくれたなって思う。









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人生の中で、大きな嘘をついたのは、これが何度目かなんて、わからなかった。









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＊｢梵天と何の関わりがあるの？取引のことで、親密な関係とか？｣









｢そんなんじゃないって｣










＊｢いいなぁ、梵天の幹部たちってイケメンなんだからさぁ｣










｢良くないよ｣









＊｢そんなこといってー、抜けがけ？｣








｢そんなんじゃないって、ホントーに｣











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私がついている嘘と言うならば、やはり三葉くんへの未練なのだろうか。








元の世界に未練があったのなら、そっちの世界に戻りたくなってしまって、足を洗いたいと言い出す輩がいる。







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人が喋らないという保証なんてどこにもないじゃない？









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だから、そんなの許される訳もなくて、ましてや言い出したとて、逃げられる可能性もあるからか、排除するだけなのだろう。







それだけは嫌だし、死にたくはない、今は。









嘘をついたのならば、それは梵天の幹部と関わりがあるぐらいなのだけれど、それも歪なものである。









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｢いいから、仕事しましょうねー？｣








＊｢はぁい｣









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紙切れ1枚の契約関係の何が羨ましいと思えるのだろうか。








そんなの、分りとしないけれど、これは互いにメリットのある関係性なだけで、その他の意味は無いというか、なんというか。









ばさっ、と書類たちを机に置いては、考えてしまう。










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私は一体何をしているんだろう。









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今すぐにでも契約を破棄しよう、した方がいい、絶対に。満足してないとかじゃなくて、他人を巻き込むのはダメだ。









そうやって頭はわかっていたのに








わかってるくせに私はキレイなオトナではなかった。










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嘘つきは私だ。









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