弱った左馬刻様の安定剤 (ページ37)

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召集ページ37

霧島side

また、大それたことを考えたもんだ。

霧島「全組員って事は、

左馬刻や俺なんかも

行かにゃならねぇのか？」

退紅「当たり前だ。

お前達も立派な組員だろうが。」

霧島「お嬢のことはどうすんだよ。」

退紅「Aの仕事中なら

お前の手は空くだろ？

そんなに時間をかけるつもりもない。

言いたいことを伝えるだけだ。

後のことは、各々に任せる。」

霧島「そうかよ。

……まぁ、分かった。

左馬刻の状態を見て、また連絡する。

そういう事だろ？」

退紅「よく分かってるな。

あいつが復活し次第、

召集をかけるつもりだ。」

霧島「待っててくれ。

それと、頭んとこの部下共に

一度お灸を据えといてくれ。

お嬢もまた大人っぽくなっただろ？

少し浮かれてるかもしんねぇからな。」

退紅「あぁ。

…………もう随分あいつに似てきた。

だが、中身はあいつよりしっかりしてるな。

出来た娘がいて、気分がいい。」

霧島「そりゃそうだろ。

お嬢はあの方のようにならないよう、

ずっと努力している。

今でこそ、身についた事だが

昔はかなり苦労していた。

口が滑っても、似てるなんて

本人には言ってやるなよ。」

退紅「分かっている。

お前に言われるまでもない。」

霧島「分かってるならいい。

父親だからといってお嬢を軽く見るなよ。

機嫌を損ねさせたら、頭より怖ぇぞ。」

退紅「はっ。流石、我が娘だな。

しかし、先程話していて

まとう空気がまた変わったと思った。

年々、ドスが効いてるな。

左馬刻も、お前も

怒ったあの子には逆らえまい。」

霧島「俺はちゃんとそこら辺は

上手くやってるんでな。

しかし、左馬刻はお嬢の前では

たまに怯んでるのを目にするな。

頭の手も煩わせていたあいつが

お嬢の前ではただのガキだ。

そういや、左馬刻の奴、

そろそろ覚悟決めちまいそうだ。

頭も、心の準備しておくといい。」

退紅「ようやっとか。

いつまでAを待たせるかと思ったが

これで、孫の顔も見られるか。」

霧島「気が早ぇよ。

そんなもん、まだまだ先だろ。」

退紅「そうは言っても、

そこまで遠くもないだろう。

相手が左馬刻というのは少々気が乗らんが

Aが選んだ相手だ。

不満はない。」