帝統が拾った女の話3

伝えたい ページ28

帝統side





結局、Aは皆を平等に愛している。

今だって、こういう事は

俺だけにして欲しいのに、

Aは誰にだってやってしまう。



俺がそれを止める権利はないのに……




あぁ……はやく

俺だけのものにしたい。







今日は乱数も泊まっていくらしい。

順番に風呂に入りつつ

くつろいでいる時、




A『……だいす…………

はなし、たい…………あっち。』




Aが指差すのは、以前、

俺がAと話をした時に使った奥の部屋。




帝統「…………分かった。


乱数、ちょっとあっちの部屋で

話してくるから、来んなよ。」



乱数「えー、僕らに内緒の話ー？」



帝統「……大事な話。」



乱数「…………分かった。

幻太郎にも伝えとくよ。」



帝統「頼んだ。」









ﾊﾟﾀﾝ




帝統「……話って、なんだ？」


A『…………ん……』ｷﾞｭｰ


抱きついてきたAを

抱きしめてやる。


ただ、甘えたいわけじゃないよな…。





A『だいす………』


帝統「ん？……どうした？

……スマホ、使うか？」



A『……っ、……』ﾌﾙﾌﾙ


A『……じ、ぶんで、いいたい。

ゆっくり……でも、いい？』



自分の言葉でって事か？


帝統「あぁ、ゆっくりでいい。

ちゃんと待つから、言ってみ？」


A『ｺｸﾝ………だいす、

いきたい、ところ、わたし…

わたし、いるから…いけないの、やだ。


げんた、とかと…いっしょに、まてる

…から、いきたいとこ、いって、

したいこと、…して、ほしい……。


……ちゃんと……ｸﾞｽｯ…ちゃんと、

いいこ、できる…ｸﾞｽｯ……から、

……きらい……なんないで……ｸﾞｽｯ…。』






こいつは、自分が重荷にでも

なってると思ってんのか…。

…俺のせいで、気にしてんのか。




クソッ……！！


帝統「ごめん、ごめんなっ。」ｷﾞｭｰ



帝統「俺さ、ギャンブルが好きで。

…お前と出会う前は、

毎日のように賭け事してたんだよ。


けど、お前が一人になんねぇようにって

毎日一緒にいるようになって、


初めは、賭場に行けねぇの辛いなとか

思った事もあったけど、


なんだかんだ、俺の中でAと

一緒にいんのが当たり前になっちまって。



……だから、昨日、Aがいないのが

変な感じで、物足りなくて……。

んで、久々の機会だし、

ギャンブルしてたら、この気持ちも

晴れるかなって思ったんだ。」

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