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胸の内 ページ46

Aside




パパに名前を呼ばれた。



一瞬、誰のことか分からなかったけど

すぐに懐かしい感覚に襲われた。



とても小さい頃に、沢山

呼んでもらった、大好きだった名前。





その名を口にすると

今まで思い出せなかった事が嘘のように

色々な思い出がよみがえった。



その中で、大半を占める記憶。




……『ゆき』と呼ばれた日々。



あの人が……あの人たちが

何者なのか、私は知らない。


いつから、パパ達と離れ

あの人達と過ごすようになったかも

記憶が霞んで思い出せない。



だけどあの人達と過ごした日々を

鮮明に思い出すことが出来た。







あの人達は、厳しいけれど

とても優しかった。

沢山のことを教えてくれた。



何も出来なかった私を

沢山しつけてくれた。




あの人達とこれから先

ずっと一緒に暮らすものだと思っていた。


なのに、、、



なんで、捨てられちゃったのかな…。







パパ達と離れた時も、


あの人達に手放された時も




……肝心なところの記憶が

私の中にないのは、どうして?







一つ、確かに感じるのは

孤独への恐怖。









もしかしたら、パパの

居場所が分かった帝統達は

私をパパの所へ引き渡したいのかな。



そう思って、とても悲しかった。


だけど、皆の言葉を聞いて

きっと大丈夫って思えた。




それでも、手を離して、自分のせいで

また1人なるのは絶対に嫌で


パパが帰るまでの間

帝統の手を離すことが出来なかった。







帝統はやっぱり優しくて

私の手をずっと

握り返してくれていた。









初めて帝統に会った時も、

帝統は私に優しくしてくれた。

きっとこの人なら、

もう私を一人にしないでくれる。



この人なら……私を拾って、

飼ってくれるかもしれない。









そう思ってた。……けど、違った。



記憶がない間は何も思わなかったけど、

今思えば、


帝統は私の世話をしてくれて

いつも一緒にいてくれたけど、


しつけようとはしていなかった。





私はあの人から教わった事を

何一つ出来ていなかったから

もしかしたら、記憶のない私を

哀れに思っていたのかもしれない。




今からでも、教わった事がちゃんと

出来ると伝えれば私を飼ってくれるのかな。






………あぁ、でも。

今の生活はとても楽しくて

あの人がダメと言ったことを

帝統や他のみんなは

たくさんさせてくれたから。







だから……このままがいいな…。

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設定タグ:ヒプマイ , 有栖川帝統 , 逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
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宇宙  - 凄い共感します!!3$EVEN の夢かよ!?のところとか良いですよね。あと左馬刻様のボソッと喋る時も!推しは独歩だけど話が合う気がします。ヒプノシスマイクの小説そこまでたくさんあるわけではないので、このような作品が読めて嬉しいです。作品全部読むので応援してます。 (2020年8月16日 21時) (レス) id: 95c29b5ba6 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレートバカ - あああああっっ…続き、楽しみですっっっっっ! (2019年6月30日 21時) (レス) id: b750cb0a89 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2019年6月23日 16時

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