帝統が拾った女の話

報告 ページ43

寂雷side





独歩君の診察中だったが、

連れてきた2人がとても焦っていたので

先にAさんの対応をして、

ベッドに寝かせる。



独歩君は、話を聞いて

少し複雑そうな顔をしていたが

彼女を見て…

少し顔を赤らめている。



まさか独歩君も熱を……？




寂雷「独歩君？

君も少し顔が赤いね。

もしかして、君も熱？

少し診せてくれるかい？」




独歩「……っ、！！

あっ！いえ、！これは、そういうんじゃなくて、！

と、とにかく！僕は大丈夫です！

お気遣いなく…！」




寂雷「……？そうかい？

何かあればすぐに言ってね。」




独歩「あ、は、はい！

ありがとうございます！」




寂雷「うん。


ところで帝統君。

Aさんとは、その後どうだい？

以前は、少し苦労していたみたいだけれど。」



帝統「あぁ、前より、

少しのならこうしてくっついていなくても

不安がらなくなったぜ。


ただ、まだ見える範囲に

誰かいないとダメみてぇで。」




寂雷「そうか。

それでもだいぶ進歩しているね。


見た目も、だいぶ健康的になってきたね。


人付き合いはどうだい？

左馬刻君達にも合っているんだろ？」



帝統「そこは問題ねぇっつーか、

…逆にそれが問題っつーか、、。」



寂雷「……？それは、どういう？」




帝統「Aのやつ、初めての相手でも

全然怖がんないけど

左馬刻さん達みたいな輩には

興味がすごくて

逆にすぐ懐いちまって。」




寂雷「…ほぅ。

それは、、興味深いね。」





帝統「なんつーか、

いい人と悪い人の線引きが

普通と違いすぎて

見ててヒヤヒヤすんだよ。」





確かに、それは心配にもなりそうだ。



独歩「っ、こんなに可愛い子が

輩に懐いちゃダメだろ。


そういう奴らはきっと

変なことに利用しようとする。

うん、きっとそうだ。

こんな可愛いんだからほっとくはずがない。


…先生っ！このままじゃ

Aさんが危ないのでは！？」




寂雷「……落ち着いて、独歩君。

まだそうと決まったわけではないよ。



帝統君。懐く、というのは

具体的にどんな様子なんだい？」


帝統「え、あー、んーーっと、、、」





それから、帝統君に

左馬刻君の事務所での出来事を聞いた。



ふむ。これは興味深い。




寂雷「……もしかすると、

Aさんには

表面的な人柄ではない、

もっと真の部分での人柄が

見えているのかも、なんてね。」

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