帝統が拾った女の話

笑顔 ページ39

帝統side








…………………………



今まで、それなりに喜怒哀楽はあるものの

表情に出すことが少なかったA。


笑った顔なんて見たこと無かったのに。



理鶯さんとは会ったばっかりなのに

笑顔を向けていた。



笑顔が見れたのは、嬉しい。




すげぇ嬉しいけど、

1番は俺がよかった、、なんて

らしくもないこと思ってる自分がいる。




理鶯さんを羨ましく思い

思わず視線を向けていたら




理鶯「左馬刻、帝統。

そんなにAを膝に乗せたいのならば

Aにそう言ってみてはどうだ？」







左馬刻さんもかよ。



っつーか、理鶯さん。

ちょっとちげぇ。


いや、正直それも羨ましくは思っていた。

けど、この視線はそれじゃねぇ。






帝統「…………A。

こっち、来てくれるか？」



A『……？ん。』ﾃｸﾃｸﾃｸ


ﾁｮｺﾝ




理鶯さんの時は膝の上だったけど、

俺の時は隣。


……ガタイの違い…か？



まぁ、今はいい。






帝統「……A。

あー、っと、、

俺の顔みて、笑ってくれ。」




A『……？？……ﾆｺｯ』




帝統「…っ、！…… ///」



あーーーーーーー、可愛い。



嬉しさと、可愛さと、照れくささと、

いろんな感情が湧き出てきて

思わずAに抱きついた。





A『…っ！』


帝統「A。これから

もっといっぱい笑ってくれ。

お前の笑顔、もっといっぱい見たい。」



A『……？…ん！』







左馬刻「…………おい、A。

次は俺様だ。来い。」



A『……ん。…………ﾁﾗｯ』





俺が離さずにいれば

Aも動こうとはしない。

どうすべきが悩んでいるような表情。




だめだな。

最近Aも可愛いと思うことが増えた。

他の奴らと親しげにする姿を見て

密かに妬くことも増えた。





ダメだダメだ。

Aのために、友達を増やすために

皆が協力してくれてる事だ。

この独占欲にも似た気持ちは

一旦しまっておこう。






左馬刻「……っ、おい！帝統！

いい加減離しやがれ！

A、来い！」



帝統「A、困らせて悪いな。

行っていいぞ。」



A『……ん。』ﾃｸﾃｸﾃｸ

ﾄﾞｻｯ


A『…………ﾆｺｯ』

ｷﾞｭｰ






まじかよ。

膝の上、しかも、笑顔でハグまで。

3コンボ。


俺、してもらってねー。








左馬刻「………………っはーーーっ……。


(……可愛すぎか、くそ。)」

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