帝統が拾った女の話

一時休戦 ページ14

乱数side






分かってる。

本当は病院で診てもらった方がいい。

けど、素性が分からない以上

どこでもいいって訳じゃない。


寂雷のところはたしかに融通が効く。


けど、関わりたくない。




はぁ。


そんなこと言ってらんないかな。


Aの為にも、我慢、かなぁ。








乱数「一郎、帝統。


僕はあいつの顔、見たくないから

2人がAちゃんを連れて行ってあげて。



事情は、僕から話しておく、から。」





帝統「乱数お前、電話も本当は嫌なんじゃねーの？」



乱数「……。

今は、Aちゃんのため、に。」




帝統「そっか。



頼んだ。」





一郎「じゃー2人とも、準備してくれ。」









3人が出ていって数分



幻太郎「……。大丈夫ですか？」




乱数「もし、話が脱線しそうになったら、止めて。」



幻太郎「えぇ。」








ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙ……ｶﾞﾁｬｯ




寂雷「君からかけてくるなんて、珍しいね、飴村くん。

なにか、用かい？」






乱数「(ﾁｯ…落ち着け。)少し、頼みたいことがある。



今、帝統と一郎が女の子を連れてそっちに向かってるから、

その子の検査をして欲しいんだ。できる限りの検査を。

それから、カウンセリングも。」





寂雷「訳あり、ということかな？」







それから、寂雷にAのことを一通り説明した。

何度かキレそうだったけど、幻太郎がいてくれて良かった。



乱数「とにかく、今は一時休戦。

Aのこと、頼んだ。」



寂雷「わかった。何かあればまた連絡してください。」









寂雷(そろそろか。)



ｶﾞﾗﾗﾗｯ




一郎「寂雷さん、お久しぶりです。」



寂雷「やあ、一郎君ら久しぶりだね。


そちらは、有栖川帝統君に、Aさん、だね。


話は聞いているよ。

さっそく、検査を始めよう。」




一郎「お願いします。」

帝統「頼んます。」

A『………………ｼﾞｰｯ』




寂雷「……？



Aさん、どうかしたかい？」




帝統「あっ、A。

この人は医者だ。寂雷って名前で、

えーっと、悪い人じゃねーから、大丈夫だ。」




A『……いい、人？』






警戒されていたのか。

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