帝統が拾った女の話

依頼 ページ13

一郎side







乱数に、依頼があるからって呼び出された。



いつもは乱数から顔出しに来んのに

今日はどうしても来て欲しいと言われ、

本来休みの今日、シブヤまで来た。






乱数に促されて部屋に入ると、

シブヤの3人の他に、

人形みたいな女の子がいた。


女の子、と言っていいのか分からないが、俺と同じくらいか、、


三郎より歳上なのは間違いないが、

二郎より歳下と言われても納得してしまう。

なんというか、

顔立ちと、体つきと、行動、全てがチグハグな感じがする。








一郎「で、依頼って？」




乱数「うん、あのね、

この子、記憶喪失、みたいで、

どこの誰だかわからないんだ。


依頼わね、この子の素性を調べてほしいんだ。」








一郎「なるほどな。


詳しく、聞かせてもらえるか？」








乱数「おーけー。」









乱数から、彼女のことを聞いた。


彼女を拾ったとこ。

素性が分からないが、なぜか捨てられた、と言っていること。

1人になることを極端に怖がっていること。

それ故、帝統から離れようとしないこと。

痣はないが、虐待、のようなことをされていたかもしれないこと。

今はAと名付け呼んでいること。




乱数「それとね、もう1つ依頼があって。」




一郎「ん？なんだ？」



乱数「Aちゃんに、これから友だちを沢山作ってもらって、皆でAちゃんを見守ろうと思ってる。


それで、一郎にもAちゃんの友だちになってもらいたいんだ。


これから、各ディビジョンのメンバーにも合わせるつもり。


もちろん、Aちゃんが嫌がるのに無理やり合わせたりはしないけど、なるべく、ね。」



一郎「そういうことか。


それならお易い御用さ。







A、これから、俺とも仲良くしてくれ。


俺は一郎。よろしくな！」



A『……ん。いち、ろ。』








なるほど、言葉は分かる、が話慣れていない。

舌足らずな話し方は可愛いが。






一郎「なぁ、乱数。


お前は嫌がるだろうが、

1度、寂雷さんに診てもらおう。


それと、もしかしたら、

左馬刻みたいなやつらの方と関わりがある、

ってことも考えられるぞ。」





乱数「……。


左馬刻にはこの後連絡するつもりでいたよ。


あのジジィには、関わりたくない。」

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