帝統が拾った女の話

わがまま ページ33

乱数side






A、デザートのページとにらめっこしてる。

きっと食べたいんだね。可愛い。


そう思って声をかけたが、首を振った。



んー、絶対食べたそうなのになぁ。

そう思っていたら




帝統「……A。

食べたいなら食っていいぞ。」



幻太郎「お金を払うのは帝統ではありませんが

まぁ、Aが食べたいのなら、食べなさい？」



A『……っ！』







なるほど、我慢したのか。




そう言えばAは

あまりわがままを言わない。

お願い事や好き嫌いもしないかも。




ひとりにならないように

離れないように

そのために駄々をこねることはあったが

それ以外は確かに、何も言ってこない。









乱数「ねぇ、A。


Aが、これから僕達といる上で

少し、約束事を決めようか。」





A『……？……ん。』



帝統「……？乱数、急にどうした？」





乱数「んー？…ふふっ。


だってさー、Aってば

全然わがまま言わないし

我慢しちゃいそうなんだもん！




だから、ね！

A。



これから僕らの前で

我慢は、メッ！だよ？


したい事や欲しいものがあったら

なーんでも言って！


それから、嫌なもの、嫌なことがあったら

ちゃんと言ってね！




分かった？」






A『……ん。』



乱数「……ふふっ。いい子だね！」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ






Aがこれまでどれだけのことをされてきたか

まだまだわからないことだらけだけど

これからは思いっきり甘やかしてあげなくちゃ！







帝統「………………ﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞ」



A『……？？？』



帝統「…………………ﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞ」



幻太郎「帝統？

どうしました？」




帝統「……いや。…………

そういや、こいつの意見って

聞いたこと無かったなぁって思ってよ。

…………ﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞ」





ふはっ！帝統ってば、可愛いところあんじゃん！





乱数「よーっし！じゃーデザート食べて、

午後もたっくさんあそぼーぅ！」



帝統「……おう。」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞ


幻太郎「ふふっ。えぇ、そうですね。」



A『……………………ん……//』









え、まって、照れてる。



なにこれ、可愛い。






この顔は、、もっと見てたいかも……。

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