03 : 死因を究明する者達 ページ4
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不自然死究明研究所、通称｢UDIラボ｣。今日から私のバイト先となる、死因究明を目的とした研究施設だ。
タクシーを降りた私達はミコトの案内でUDIラボの廊下を進む。
｢ミコト、折角会えたのに全然話せなくてごめんね。久しぶりだからかな、緊張しちゃって｣
｢ううん、気にしないで。大学時代からの付き合いでしょ？」
ミコトと私は同じ医大出身である。学年が違ったため授業での交流はほとんどなかったが、同じサークルに所属していたため親陸が深い。
卒業後は法医学者への道を歩んだミコトに対し、私は外科医を目指したため交流は減ったものの、年に数回程度お茶する仲であった。シリアに行っていた1年間はまるっきり連絡を取り合うことはなかったが。
そして、そんな仲のいいミコトなら私の嘘にも気付いている。話せなかったのは、緊張していたためではない。それよりも東山先生___私の治療を担当した医師の最後の言葉が、頭を離れなかったからだ。
それなのに詮索することなく気にしないでと笑ってくれる。あぁ、前と変わらない優しいミコトだ。
エレベーターに入り、オフィスがある4階を押す。扉が閉まるとミコトは急に声を荒げた。
「それにしても何あの医者！Aに対してあんな酷いこと言って許せない｣
｢ふふっ、一応付き合いの長い先生なんだけどね。歳を取ったら嫌味ったらしくなっちゃってさ｣
さっきまで優しく声をかけてくれた人が一変して愚痴を言い出すものだから思わず笑ってしまう。
｢まぁ…あの人の言ってることは事実だから、否定はできないんだけど｣
｢A、｣
再び瞳に影が落ちる。バレないようさっとエレベーターを降りるが、ミコトはすぐに隣に並ぶと何もかも見透かしたような目でこちらを見た。
｢あんまり気落ちしちゃ駄目だからね。私はどのAも好きだけど、いつもの元気なAが1番好きだから｣
｢やだー、告白されちゃった。でもありがとう、私も大好き！｣
｢やだー、告白返しされちゃった！｣
明るく返した私に、ミコトは少し安心したように、でも複雑そうにも笑った。
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みーこ(プロフ) - アンナチュラル再熱して、読みにきました。木林さんとのやりとりに感銘を受けました、もし続きがあるのならば更新をお待ちしております、、！ (2022年6月1日 19時) (
レス) @page24 id: 71713ba9a2 (このIDを非表示/違反報告)
EL(プロフ) - なんだか急かしてしまってごめんなさい。素敵なお話なのでつい。のんびりお待ちしております。 (2020年10月26日 23時) (レス) id: 7933e3d246 (このIDを非表示/違反報告)
雪鳩(プロフ) - ELさん» コメントありがとうございます！私生活が忙しく執筆が遅れていますが、ゆっくり更新していくつもりなので気長にお待ちいただけると嬉しいです！ (2020年10月25日 2時) (レス) id: 76789842a1 (このIDを非表示/違反報告)
EL(プロフ) - 更新楽しみにしております。 (2020年10月18日 21時) (レス) id: 7933e3d246 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪鳩 | 作成日時：2020年8月24日 0時
