１０【おそ松さん】一卵性六つ子と処方箋10【逆ハー気味】

迎えに行く８ [松野家] ページ13

「「「「「「ええーーーーーーーーーーーーーーーーーっ！！！！？」」」」」」

まだ賑やかな市街地に、それを凌駕する六つ子の叫びが轟いた。

あまりの驚きの声にこっちが驚く。
ぽかん、と開いた口がお互いにふさがらず、お互いに『つまりどういうことだ』と混乱中。

「ちょっ、…ちょっと待ってよ！どっちもうちの近所！！？」
トド松さんの叫びに他の皆さんが頷く。


「ええ。寮や下宿から通いやすい距離、かつ、ご近所さんのプライバシーを知りすぎない距離で選ばれているらしいので……えっ。何ですか皆さんして…。」

見れば皆さんは顔に影をおとしてふっふっと笑っていた。

「いやぁ！良いこと聞いたよなチョロ松ぅ〜」
「まあそうだね？ でもここでそれを言うのは得策じゃないよおそ松兄さん？」
「解ってるって。」
なんでこの二人はニヤつきながらイケイケコンビ感満載なのか。

「…？ 言いたいことがあるなら今言えば良いんじゃないか？おそ松。」
「黙(だぁ)ってろクソ松殺すぞクソ松。」
「えっ。」
急に一松さんとカラ松さんはすごい剣幕になってるし…！

「Aちゃん！！！帰ろ！！！！！」
「じゅ…十四松さんその前にタッパーを取りに行き」
「そんなんいーからっ！もう遅いし、ねっ？」
「あっ//ああ、はい。了解です。」

末っ子さんたちの可愛さに圧され、私は普通に松野家にお邪魔することになったが……


……なんだろう、めちゃくちゃ嫌な予感がする…


****


懐かしの松野家一階の居間。


「Aちゃん…ここ。ここに座りなさい。」
「あっ、はい…。」


畳に座り、ｽﾁｬ、と眼鏡を押し上げる松代さん。
隣には妻にビビりながらもどしっと構えている松造さん。

雰囲気に圧され息を飲む。
何、私は何をしたんだ…！
了解とって来ただけですよね！？

「すみません、タッパー持ってき損ねて…」
「そんなことはどうでも良いのよ。セロハンテープの次くらいにどうでも良いわ。」
「うん、セロハンテープの次くらいにどうでも良いぞ、Aちゃん。」

眼鏡を白く反射させる松代さんの言葉は淡々だ。横の松造さんはかわいらしくｳﾝｳﾝと頷いていた。

「ニート達に聞いたんだけど……本当なの？実習先の病院と薬局がこの辺りだって。しかも『赤塚病院』って…！！」
「運命だな母さん。」
「？」

運命…？

「今でもよくお世話になっている病院なのよ、ニートたちが。」
「え！！そうなんですか？」
「そうなのよぉ！…って…」

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