帰る場所4[カラ松][一松] ページ35
…不快な感触はいつまでたっても来なかった。
その代わりに後ろで待機していた男性のうめき声。
もう一人の…服を引っ張られたのか、息の詰まるような声と、晴れる視界。
「……えっ…。」
「…そこまでにしてもらおうか。」
「ごめんね、痛かった？…でも、気絶するほどじゃないでしょ…？」
「てめぇら…！は！！？同じ顔！？」
男が立ち上がった事で、目の前の視界が更に開けた。
見なくったって解る。
この一年近くでたくさん聞かせてもらった声だった。
「…！」
「…ﾁｯ…」
男が立ち退いたことで私からも二人の表情が見える。
「…ぁ…」
一松さんは苦虫を噛み潰したような表情。
日頃温厚なカラ松さんの目は完全に座っていた。
ｿﾞｸ、と背中に緊張が走る。
「ってててて…！クソが…！」
「オイ！しっかりしろ！！」
「…一松。Aちゃんを頼む。」
「…あいよぉ…」
パイプで腰を殴られた華奢な男がよれよれと立ち上がる隙に、一松さんが一歩早く地を蹴った。
奪ったパイプを振りかざして寄れば、大柄の相手は怯み、こちらに踏み込むのは一瞬。
続けてカラ松さんが一松さんを追うように走り、一気に男性との距離を詰め、一松さんと男の間に割り入った。
紫の視界。
ネコの匂いのする彼が、そっと背中と階段の間に手を入れた。
「立てる？」
「…立て…る…」
「……無理そうだね。」
「…！」
がくん、と大きな揺れが一瞬。
世界は90度傾いていた。
背と太ももに手の感触。
抱き上げられていると理解するや否や、一松さんは走り出した。
「あ…！？え…！？いちまｔ」
「いいから！！
その言葉を受けて黙ろうとした矢先、視界の向こうで男と対峙しているカラ松さんの背中姿を見た。
彼は…来ないのか…！？どうして、一緒に逃げ…！
「かっ、カラ松さんが…！」
自分でも思う、悲鳴じみた声だった。
「カラ松なら心配いらないから…！」
更に自分の体に引き寄せるように、抱きしめられながら私は…
商店街から…脱出した。
*****
嘆きのような声を聴いた。
ああ、それだけで俺の胸は高鳴るぜ？Aちゃん。
「何だったんだ、いや、何なんだお前ら！」
大柄の男が吠える。
一松の一撃を食らった細い男は地面から起き上るのにも一苦労だ。
そんなに強打した感じではなかったんだがなぁ。
「ノンノン。それはこっちのセリフだぁ。いや、この際お前らの素性なんてどうでもいいが。」
久々に。
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ちよ(プロフ) - コウさん» コウさん…！(´；ω；`)逆に私がコウさんの温かみに触れさせてもらってます…！その言葉がとても救いです。本当にありがとうですっ。 (2016年9月16日 23時) (
レス) id: 1b8a8f3402 (このIDを非表示/違反報告)
コウ(プロフ) - ここに来ると、人の暖かさに触れられます。主人公ちゃん、頑張れ！ (2016年9月16日 22時) (レス) id: c9187033b8 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - 山野さん» いつでも来てよ！！笑来てくれるの本当に嬉しいなぁ(n*´ω`*n)なんか青春臭くなっちゃったけどもう「夏休みだから！」で押し切ったすまんよｗまじか！！いっちは１章で！！？何それ嬉しすぎるね！！笑 あああありがとう！ (2016年9月11日 15時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - イラさん» からぴかっこよく書けてるかね！！(*ﾉωﾉ)ありがとうね…！いっちは私の中で可愛いわ●●いわでな。うんうん！！六つ子尊いよな…！！はぁぁ//イラちゃんありがとうね、日常生活も応援しとるからね…！ (2016年9月11日 14時) (レス) id: a6e972599e (このIDを非表示/違反報告)
山野 - あぁカラ松イケメンつら…っ！！この間もコメしたのに何度もごめんねっ、やばい…!青春した感じがするよwあっ、ちなみに私の推しはﾁｮﾛといっちだけど、ぶっちゃけいっちはちよちゃんの小説(1章だったかな…?の布団のところ)でめちゃ惚れましたw元から箱推しだけどね! (2016年9月11日 10時) (レス) id: 0b9a2524d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちよ | 作成日時：2016年8月11日 20時
