4『所詮はそんなもん』 ページ4
それからはハリーくんとずっと一緒にいた。
ハリーくんをいじめる子達に殴りかかり、
先生に呼び出されお説教を喰らい、
ダーズリー一家の愚痴を聞かされ。
同じ日々を過ごせば過ごすほど、原作が待ち遠しくなった。
あと3ヶ月。あと2ヶ月。あと1ヶ月。
あと3週間、あと1週間、あと────
ハリーくんが先日11歳になった。
原作通りダーズリー一家はプリペット通りから姿を消す。
3週間前の私の誕生日に届いているはずの手紙は、姿を見せなかった。
『は？』
もしかしたらちょっと遅れてるのかも。
そんな淡い希望は、過ぎる時間と共に消えていく。
ダーズリー一家がプリペット通りに帰ってきて、ハリーくんと公園に行ったとき、
私は原作にすら関われないのだと思い知った。
「マリー、マリー、マリー！僕ね、魔法使いだったんだ！」
『────そっかぁ』
魔法使い
「それでね、新学期からはストーンウォールなんてクソみたいな学校には行かなくてすむんだ！ホグワーツっていう、魔法学校に通えるんだって！」
『…すごいねぇ』
ホグワーツ
「魔法使いや魔女がいるダイアゴン横丁に行ってきて、教科書とかも用意したんだよ。それに、ペットも」
『…………うん』
ダイアゴン横丁
「ペットの名前、一緒に考え────マリー？」
「 魔法使い 」
「 ホグワーツ 」
「 ダイアゴン横丁 」
あぁ、なんて素敵な言葉。
私が憧れてた、大好きな言葉。
『うん……うん。よかったねぇ、ハリーくん。ほんと、ダーズリーさん達とも離れて、寮で暮らせるんだ……
────だから、きっと、』
「マリー？」
『…どうしたの？』
「なんで…泣いてるの？」
だってそれは、
『なんでもないよ』
君や物語に触れられないから。
『なんでもない』
私は所詮、そんなもんだったんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 386人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とお。(プロフ) - ますしんさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです🙌🏻亀更新ですが、これからもよろしくお願いします❕ (2月25日 21時) (
レス) @page30 id: bd66dfc1ca (このIDを非表示/違反報告)
ますしん(プロフ) - マグルなのにスリザリンは展開気になりすぎる笑笑でも主人公の性格的には確かにスリザリン笑笑今後も応援しております！！ (2月25日 17時) (レス) id: 3a092db897 (このIDを非表示/違反報告)
お。(プロフ) - ユウさん» 更新遅くて申し訳ないです……。コメントありがとうございます！ (1月31日 12時) (レス) id: 08eb455a1d (このIDを非表示/違反報告)
お。(プロフ) - 蘆花さん» 私だったらこうしちゃうなって思いながら書いてます、笑。コメントありがとうございます！ (1月31日 12時) (レス) id: 08eb455a1d (このIDを非表示/違反報告)
お。(プロフ) - 天天さん» 3周！？そんな…光栄です…！！ (1月31日 12時) (レス) id: 08eb455a1d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とお。 | 作成日時：2023年3月18日 13時
