42 藤ヶ谷side ページ42
藤ヶ谷side
北山が戻ってきたと思ったら郁人を連れてきた。
Aちゃん、郁人来るって言ってなかったけどなぁ…。
俺を見つけるなり郁人は隣にあった椅子に座った。
郁人「たーいちゃん♡」
藤ヶ谷「はぁ？」
いきなりなんだコイツ。
郁人「俺の可愛い可愛い妹に太ちゃんって呼ばせておいて兄は太ちゃんって呼んだらダメなのかよ！」
二階堂「河合君の妹、そんなにかわいいの？」
郁人「俺に似て凄く可愛いよ！」
横尾「河合に似てたらそこまでだな(笑)」
ほかのメンバーはケラケラと笑っている。
それは会ったことがないから。
本当は郁人の妹とは思えないぐらい可愛い。
とにかく可愛い。
郁人「ところで俺の可愛い妹の席はどこ？」
千賀「ガヤの彼女来てるの？」
郁人「藤ヶ谷の彼女って言うな！俺の妹だ！！！」
郁人は千賀に向かってイタズラ半分な口調で怒鳴った。
郁人「で？どこ？」
俺は素直に郁人に席を教えた。
郁人「了解。じゃあみんな頑張って！」
そう言って郁人は楽屋を出ていった。
少しして皆で移動をして円陣を組む。
コンサートスタート。
しっかり俺のこと見てて欲しい…。
俺のソロ曲は中央ステージ｡
白いシャツはちょっと胸元を開けて､ダメージジーンズ。
ふぅーと息を吐く。いつもより緊張する…。
Aちゃんには特等席を用意した｡
中央ステージの目の前のブロックの1列目の真ん中。
踊りもせずにスタンドマイクの前に立ち歌うバラード。
もちろん俺の目に映るのはAちゃん。
Aちゃんはじっと俺のことを見つめている。
俺も最後の歌詞をAちゃんのことを見つめて歌った。
「愛してるよ」って…。
そのあとすぐに白い羽が俺を包み込むように舞いステージは下がった。
そしてあっという間にアンコール。
サインボール投げたりファンサしたり…。
中央ステージにたどり着き俺はステージから降りた。
巻き起こる黄色い声援。
ごめんね。スタッフに迷惑かけちゃうね…
そう思いながらも最後に持っていたサインボールをAちゃんに渡した。
ハイタッチをしながらメインステージへ向かって歩く。
．
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作者名：197561549 | 作成日時：2018年3月16日 0時
