お兄ちゃんはシスコン１ (ページ24)

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エントランスを出るとロータリーに黒のベンツが停まっていた。
そのベンツに寄りかかる藤ヶ谷さん。

小走りで近づき
『おはようございます。』
と声をかけた。

藤ヶ谷「おはよう。さぁ、乗って！」
優しく微笑みかけたあと助手席のドアを開けた。

『助手席は不味くないですか？』

藤ヶ谷「じゃあ後ろ？」

そう言ってバタンと助手席のドアを閉めて後部座席のドアを開けた。
乗り込むと「閉めるよ」と声をかけバタンと閉め運転席に藤ヶ谷さんは乗り込んだ。そして車を走らせる。

『どこへ行くのかそろそろ知りたいです。』
ルームミラー越しに運転している藤ヶ谷さんを見る。

藤ヶ谷「着いてからのお楽しみ」
チラッとルームミラー越しにこちらを見て微笑んだ。

大人しく座っていると
藤ヶ谷「タメ語で話そう？」

『うん』

車はお台場を走っている。
そして地下の駐車場に車をいれた。
地下の駐車場のエレベーターで2階フロアに着いた。

藤ヶ谷さんについてビル内を歩く。

『うわー！！！』

そこには
ズートピアのニック
アナ雪のアナとエルサ
美女と野獣のベルとビースト
不思議の国のアリスのアリス
ピノキオ
５つの大きな垂れ幕がかかっていた。

藤ヶ谷「行くよ！」

藤ヶ谷のあとに続いて展示スペースに入った。

『チケット代…』

藤ヶ谷「このチケット貰ったやつ。」
そう言ってチケットと入り口で貰ったステッカーを渡された。

原画や映画で使われた小道具、コンセプトアートが飾られていた。

そしてチラッと藤ヶ谷さんは次のスペースを覗いた。
サッとカーテンをめくった。

『ラプンツェルだ…。』

そこにはたくさんのたくさんのランタンが空に浮かび上がるあのシーンが…。

『キレイ…』
たくさんのランタンが吊るされている中を歩く。

藤ヶ谷「Aちゃん、」

『ん？』

藤ヶ谷「Aちゃんのこと…好きなんだ。」

『！？！？』
ビックリしすぎて言葉がでなかった。

藤ヶ谷「俺と付き合ってくれませんか…？」

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