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『本、当に…?』

「うん。あ、でも、もしかして、Aちゃんは嘘で言ってた…よね?ごめん……自分と同じ気持ちなんだって嬉しがっちゃって、普通に信じちゃった」

『ほ、本当だよ!嘘じゃない!私、こうちゃんのこと好き!』


悲しそうに笑いながら頭を搔くこうちゃんに、夜中だということを忘れてつい声を荒らげて言ってしまった。


「ま、待って。今からそっち行っていい?」

『え、あ、ちょっと!』


ここが一応外だということへの恥ずかしさと、必死になって愛を叫んでしまったことへの恥ずかしさで、顔が真っ赤になっているだろう。
そんな私の返答を待たずにベランダから出ていってしまったこうちゃん。
すると間もなくして私の家のインターホンが鳴った。
走ってドアを開けると、さっきよりも間近にこうちゃんがいて、普通にドキッとした。


「Aちゃん、好きです。俺と、付き合ってください」

『こう、ちゃん…』


さっきまではお互いに柵を通して話していたけど、今度は何も隔たりもなく面と向かって言われた。


『…よろしくお願いします』


恥ずかしすぎて、小さい声で言ってしまったが、ちゃんと彼には聞こえていたみたいで、優しく笑ってくれた。そしてすぐに抱き締められた。


「うわ、めっちゃ体冷えてるじゃん!風邪引いちゃうよ!」


せっかく好きだった人と結ばれて、彼の香りに包まれて良いムードだったのに、ママみたいなことを言われてムードも何も無くなってしまい吹き出してしまった。
まあこれはこれで彼らしい優しさだな、と感じ、頬が緩んだ。こうちゃんは私とは反対に暖かくて、このままずっといたいな、なんて思った。


「そんなに長い時間ベランダにいたの?」

『日付が変わってからかな』

「は!?30分以上もいたの!?」


私は日付が変わってからエイプリルフールに絡めて告白をしようと数日前から決めていたのだ。
だから30分ぐらいは全然待ってられた。これも好きな人の力ってやつなのかもしれない。


「もしかして、俺がベランダに出てくるの待ってたの…?」

『……』


こういう時の彼は、勘が鋭い。何も言えずにただ黙っていると、ため息をつかれた。


「可愛いことしないでよ…」

『へ、』


小さく呟いて、私のことをさらに強く抱きしめてくれたので、私も抱きしめ返した。ああ、すっごく今、幸せだ。幸せすぎて溶けちゃいそうだ。







数日後、熱を出してしまってこうちゃんに看病されたのはここだけの秘密ということで。

elegeia kwkm(SS)→←エイプリルフール wtnb



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ちゃるちゃる(プロフ) - いろさん» ありがとうございます〜!これからも温かい目で見ていただけると嬉しいです! (2020年2月22日 16時) (レス) id: d523c3bebb (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 続編おめでとうございます!楽しみにしてますっ (2020年2月21日 6時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃるちゃる | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年2月20日 17時

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