思い出はカレンダー 3【Q|K】

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「一緒にコンビニに付いてきてほしいんだけど…」


駄目かな？と上目遣いで聞いてくる山本さん。コンビニくらい一人で行けるじゃん…しかも何で私なのよ…作業してたじゃん…。まぁ声をかけられて手を止めてしまった私も私だけど。これは仕方ない、不可抗力です。


「皆の昼ご飯頼まれちゃって。Aさんのお昼ご飯は僕が買ってあげるから！ね！」


なるほど。そういえばさっき、ジャンケンしていたのをBGMとして聞いていたのを思い出した。でもそれで納得してしまうほどバカではないぞ。そのジャンケンに参加していなかった私が強制的に引きずり込まれるのもおかしいだろう。

でも山本さんの奢りか。うーんどうしよう、と返答に困っていると偶々福良さんと目が合った。福良さんは一緒に行ってあげなよ、とでも言うかのような優しくて、でも少し困ってそうな表情をしていた。


『…分かりましたよ』

「ほんと？やったー！ありがとうAちゃん！」

『はいはい』


今折れたのは決して山本さんのうるうるした目に負けたわけじゃない。福良さんのお昼ご飯を代わりに買ってこようかなと思ってただけだし。あとタダ飯が食えるならそれに越したことないし？だから決して山本さんに揺らいだわけじゃない。と心の中で唱えながら上着を羽織ってオフィスを出ようとした。


『…あれ』


そう言えばさっき、山本さんどさくさに紛れて私の名前呼ばなかった？



「ほら、行こう？Aさん」

『あ、はい』



＿＿＿うん、気のせいだよね。自惚れも大概にしろよー、と心の中にいるリトルAからツッコミが飛んできそう。



『山本さんに期間限定のデザートも買ってもらお』

「待ってそれは聞いてないなー」



山本さんのあざとさには騙されないと思っていても、私の歩幅に合わせて歩いてくれたり、さらっと車道側を歩いてくれる行動に、この人の良さは例外パターンかもしれないと思い始めている自分がいる。



「Aちゃんが可愛くおねだりしてくれたら買ってあげても良いよ？」

『は？絶対にしません』





＿＿やっぱり訂正。この男、山本祥彰は要注意人物だ。




..

キョリカン ymmtと似ていたり似ていなかったり。

最後でなくても　kwmr→←私は騙されない　ymmt

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