クセの強い出会い方 ページ41
私は少し変わっているとよく言われる。
そんな私でも彼氏ができた。
しかも頭のいい彼氏が。
『こうちゃん、何で私と付き合ってくれたの?』
「え?何でって、好きになったからだよ?」
『そうじゃなくって。うーん』
「そりゃあ、あんな出会い方なかなか印象に強かったし」
.
.
Aとの出会いはなんともクセが強かった。
QKとして忙しくなってきたころ、伊沢さんがバイトを雇おうと言い出した。
とは言っても大々的にではなく、知り合いで手伝ってくれるような人を探すといった形だった。
この日は買い出しで伊沢さんと大型ショッピングセンターに来ていた。
お昼時、フードコートで昼食を食べようとなり、俺は場所を取っていた。
『あの、このなぞなぞの答え分かりますか?』
急にそう言って駄菓子屋などで売っているなぞなぞが印刷されているお菓子の棒を見せられた。
え、不審者すぎない?怖いんだけど。
しかも普通こういうのって、ちゃんと答え載ってるんじゃないの?
『これだけ製造ミスなのか、答えがないんです。すっごくモヤモヤしてて』
うーん…怪しいけど、でも悪い人ではなさそう。
もう一度なぞなぞを見ると、“たまを5つ焼いた食べ物は?”と書かれていた。
確かこれは…
「卵焼きじゃないですか?」
『あぁ!卵焼きか!なるほど!!ありがとうございます!』
スッキリしたー!と言いながら笑っている彼女の姿を見て、なんだか自分もつられて笑ってしまっていた。
『あ、お礼に一本あげます』
はい、と渡されたがこれは貰っていいものなのか?
でも久しく食べてないし、たまにはいっか。
彼女から一本貰って食べると、なんだか懐かしい味がした。
「お待たせ〜って、誰?」
「あ。伊沢さん」
『あ、すいません!失礼します』
逃げるように去っていく彼女を止めたのは伊沢さんだった。
「待って。君、家事とか出来る?」
『えっと…一人暮らしなのでそれなりには』
「じゃあ、うちでバイトしない?」
いきなり言われても、困惑するのは当然だろう。
でも、気づいたら声が出ていた。
「いいじゃん」
『じゃあ…私でよければ、お願いします』
これが、Aとの出会いだった。
.
.
『実はあの時既にこうちゃんに一目ぼれしてたんだよね』
「え、そうだったの?」
『そう。だから、ナンパしたんだよ』
「…え、あれナンパだったの!?」
僕の彼女は少し変わっている。でも、そこがまた良い。
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ちゃるちゃる(プロフ) - ミウさん» そう言っていただけてとても嬉しいです!特に同じ坂道ファンの方に言われると励みになります!これからも温かい目で見守っていただけるとありがたいです! (2020年1月30日 17時) (レス) id: d523c3bebb (このIDを非表示/違反報告)
ミウ(プロフ) - はじめまして!歌モチーフの話は好き嫌い結構あるんですけど、ちゃるちゃるさんのお話、すごい好きです!乃木坂欅坂日向坂、3坂道ファン(もはやオタク)なんですけど、あ!あの曲!ってなって嬉しかったです!これからも楽しみにしてますね〜 (2020年1月26日 22時) (レス) id: 67a060dbe8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃるちゃる(プロフ) - すぺるさん» コメントありがとうございます!めっちゃ嬉しいです!!ご期待に添えるか分からないですが、続きをそのうち書くつもりなので、ぜひ待ってていただけると嬉しいです! (2019年10月13日 21時) (レス) id: d523c3bebb (このIDを非表示/違反報告)
すぺる(プロフ) - 危のお話めっちゃ好きでした〜!!!続きが見てみたいなと思いました…。 (2019年10月13日 17時) (レス) id: bc24737c16 (このIDを非表示/違反報告)
すぺる(プロフ) - ちゃるちゃるさん» ありがとうございます〜!僕も更新頑張ります…。ちゃるちゃるさんも頑張って下さい! (2019年9月21日 20時) (レス) id: bc24737c16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃるちゃる | 作者ホームページ:
作成日時:2019年9月21日 13時