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あれから数日が経った。テレビ関係の仕事の時はマネージャーがしっかりとついてくれて、そうでない場面では百合根さんが絶対に一緒に居てくれた。
俺としてはそれぐらいしか目に見えた変化はない。というのも家に届く手紙は百合根さんが回収しているし、スマホに送られてくる大量のメールも百合根さんの元に届くように変えられているから。
伊沢青年は何も考えずに自分の与えられた仕事だけをしていればいいと、彼女はそれしか言ってくれなかった。この言葉にどれほどの重みがあるのか、それは自分の身体が軽くなったことが何よりも証拠だろう。
「じゃあ、そろそろ動き出そうか」
百合根さんとミクと歩く行き帰りの道中に感じる視線だけは相変わらず突き刺さり、最早慣れてきてしまった今日この頃、淡々と言い放った。
「…早いね」
「そりゃあ、相手は少なくとも二人以上いる事は明らかだし。さっさと解決に向かわないと何かと大変でしょ？」
どこまで見えているのかは分からないが、今まで以上に大変なのは感じていた。でもそれだけじゃない、百合根さんは百合根さんなりに思うことがあるようだった。
「てことで社長、今日仕掛けます」
「…分かった」
ボディーガードだから外では社長と呼ぶようにしている彼女が、わざとオフィスでそう呼んでくるのはメリハリをつけるため。
俺に心配をかけないようにしているだけで、未だにどれも解決していないのは薄々分かっていた。だがらその内の一つ目から百合根さんは潰しに行こうとしていることにはすぐに気づいた。
「今日はミクには留守番させている。私が一芝居を打つから、君は動じることなくさっさと家に帰ってね」
何をするか明確には伝えられず、軽い打ち合わせだけを行った。そしていよいよ、決行の瞬間がやってきた。
百合根さんはカツラを取って普段と同じ格好に。いつもより少し間を空けて歩き、傍から見たら二人組とは思わせないような、赤の他人として歩いていた。
「角を曲がったら全力ダッシュでそのまま帰って」
小声で百合根さんは俺に言ってきた。思わず頷きそうになったが知らないフリを続け、角にやってきた途端俺たちは離ればなれとなった。
「お巡りさん、この人です！」
その声だけが聞こえながらも走って家へと向かった。
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通りすがり - 何度もコメントすみません。やっぱりこの小説好きです！いくらでも待つので､続きを期待してもいいですか？ (3月15日 16時) (
レス) @page34 id: c971cc1ca3 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 作品の世界観が素敵で一話目からノンストップで読み続けてしまいました。続きがとても気になります。また、更新されることを願っております。 (2022年9月17日 23時) (レス) @page34 id: 766ff61372 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃるちゃる(プロフ) - トマトさん» ありがとうございます、、、！かなり更新ペースが遅いのですが、佳境に入ってまいりましたのでぜひ温かく読んでくださると嬉しいです！ありがとうございます！！ (2022年6月20日 12時) (レス) id: 05ff2dafb9 (このIDを非表示/違反報告)
トマト(プロフ) - コメント失礼します！作品の雰囲気がめちゃくちゃに好きでずっと読んでいられました！もっと早くに出会いたかったです……一読者として応援しています (2022年6月14日 19時) (レス) @page33 id: 44a1cdd5e5 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃるちゃる(プロフ) - 通りすがりさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！返信遅くなってしまってすみません！相変わらずマイペースすぎる更新ですが何卒よろしくお願いしますー！！！ (2022年3月1日 1時) (レス) @page28 id: 6736db345f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃるちゃる | 作者ホームページ：
作成日時：2021年11月18日 15時
