硬貨32枚 ページ33
モストロラウンジ開店前。
そっとドアを開けると、水槽に面したテーブルでアズールが書類整理をしていた。
Aの姿を確認し、いつものように微笑む。
アズール「お待ちしていましたよ、Aさん」
『…今日は他の人いないんだ？』
アズール「本日は厨房の点検のため店休日なんです」
通りで店内BGMがかかっていないわけだ。
普段ならあの小洒落た雰囲気に顔をしかめてしまうのに。
アズールのもとへと足を運び、ソファに背中を預ける。
机の上には契約書と羽根ペンが置いてあった。
うまいこと自分を引き込むつもりなんだろうな、なんて思いながら視線を水槽へと投げる。
ジェイド「おや、Aさんではないですか」
『ウツボサマこんにちは〜、お邪魔してまぁす』
ジェイド「ごゆっくり。フロイドからの奢りです」
『ありがとう〜！』
去っていくジェイドに手を振り、ジュースに口をつける。
見た目は美しく興味を唆られる感じ。
味は…香料だとかが混ざり合って複雑だった。
人間はこれを"美味しい"と言って摂取するのだろう。
羨ましく思いながらグラスをテーブルに置く。
アズール「話したいのは山々なんですが…一体どこまでが許されるラインなのか…」
目の前のアズールは一息ついて話を始めた。
が、クロウリーから言われたユニーク魔法について少し悩んでいた。
弊害が何かもわからない。アウトラインがどこか皆目検討もつかない。
弊害もわからないとなると下手に口出しできないのだ。
そんなアズールの様子を見て楽しそうに笑うA。
僕のことで悩むなんて明日は槍が降るかも？なんて考えつつ口を開いた。
『大丈夫だよ、思ってるほど被害ないもん』
アズール「失礼ですが信用し難いですね」
『むぅ、本当に失礼…』
痛みを伴う弊害は無いんだけどな。そんなに頻繁に使わないから被害がどれくらいなのかは知らないけど。
Aからしたら心底どうでもいい悩みに欠伸をすると、奥から足音がした。
フロイド「んぁ〜、具材あんま無かった〜」
『…！！！エビだぁ…！』
フロイド「そ、シュリンプカクテルでーす！カサゴちゃん全部食うの好きでしょ？だからァ、半分は殻付きにしてあげたの」
『フロイド先輩すき〜！！』
フロイド「あは、ありがとォ♡」
綺麗に並べられたエビ、真ん中に置かれたディップソース。
殻ごと食べられるのが大好きなAからしたら、どんなものよりも御馳走だった。
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しお(プロフ) - 完結おめでとうございますっ作者様の作品どれも大好きです！！ほんとにどタイプです(; ;)新作も楽しみにしています！頑張ってください！ (2020年8月17日 18時) (
レス) id: 555d662f3a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるこ氏(プロフ) - 完結おめでとうございます！！すっごく読んでいて楽しい作品でした！またどこかで貴方様の作品に出会えますように（＾ν＾） (2020年8月16日 22時) (レス) id: f3351ce51f (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - とても面白いです。この作品が更新されるのを毎日心待ちにしてます。更新大変だと思うので作者様なりのペースで頑張ってください！応援してます。 (2020年8月7日 22時) (レス) id: 9f253d2950 (このIDを非表示/違反報告)
諒(プロフ) - イライ&ナワーブさん» ご指摘ありがとうございます！お手数ですが、誤表記の話数をお教えいただけませんか？ (2020年8月7日 22時) (レス) id: 20c69aa8ad (このIDを非表示/違反報告)
イライ&ナワーブ - とても面白いと言うかBL最高！ (レオンではなくてレオナですよ) (2020年8月7日 21時) (レス) id: 1da65a8f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：諒 | 作成日時：2020年8月2日 13時
