【ツイステ】捕食者。【男主】

硬貨17枚 ページ18

『ラギー兄ちゃん〜』




ラギーの名前を呼びながら、Aはレオナの部屋に足を踏み入れる。
どうせ部屋にはいない、大方レオナのところだろうと考えたからだ。




レオナ「ラギー、お呼びだ」


ラギー「…A？どうしたんスか？」


『なんかこれ、結果がおかしいんだけどさぁ、計算式見て…』




魔法薬学のノートとペンを手にそう言った。計算用紙は数値も答えも同じ計算式が羅列していた。
何度もやり直したのか、小指側面が少しだけ黒くなっていた。




ラギー「オレ忙しいから…レオナさん、見てやってください」




相手をしてやりたいのも山々だが、ラギーにも仕事がある。
部屋の掃除よりもAに勉強を教えるほうが楽。だったら後回し、もしくはレオナに回しても問題ないだろう。




面倒そうに伸びをするレオナの元へ歩き、ベッドに座る。
ノートを渡すと、問題も見ずに間違いを探した。




レオナ「この反応だと2.7%は気化すんだろ、その分を引く。ここも違う」


『この式とは何が違うんですか？』


レオナ「そもそも式に代入してるモンが違ぇだろ。よく問題見ろ」


『寮長先輩は見てないのに……』




同級生だったとしても寮長先輩には知識じゃ敵わないな、とペンを動かす。



言われたとおりに式を組み立ててやり直すと、答えと同じ回答になり、ノートを閉じる。




レオナ「俺を舐めるな。ほら、教えてやったんだからその分働け」


『うぇ〜たかだか2問なのに……けちんぼ』


レオナ「なんとでも言え」




クツクツと喉を鳴らし、Aの頭を撫でる。
いたく気に入っているレオナは大分Aに甘かった。



本当なら安眠妨害をされるのは許しがたいが、Aなら仕方がない。嫌な顔1つせずに対応していた。




『この辺の片付けたらいい？』


ラギー「そッスね。あっ、盗っちゃだめッスよ！」


『二度も盗らないよ、人間サマとライオンサマは違うもん』




アクセサリー類を手際よく片付けていく。
ラギーは先程の言葉のせいで空いた口が塞がらない。



聞き間違い？いやいや、そんなわけない。
レオナの方を見ると、余裕そうに笑っていた。




ラギー「二度もって、どういうことッスか！？」


『二度っていうか…』


レオナ「次で4回目になるな。遠慮せずに盗っていいぞ」


『財布のためならどうってことないけど、アクセのために腰を犠牲にするのは、ねぇ』




大体内容を察したラギーは頭を抱えた。
どうしてこうもAは手癖が悪いのか…

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