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魔力のない女の子が由緒あるこの学舎に紛れ込んだと聞いた。男子校であり、魔法士育成を目的としたこの学園にとって彼女は余りにも異端で、そこらへんをほっつき歩いている奴らとはかけ離れているということは、本人の顔さえよく知らないままでも分かる簡単なことだ。
彼女に疑問を抱き、攻撃する輩は少なくない。この学園にはプライドが高く気性が荒い生徒が多いのだ。唸る拳は挨拶、口を開けば嫌味と魔法。努力してやっと掴みとった入学への切符を手にし、喜びと誇りをもってやってきた彼らにとって、異世界から来て身寄りがないだけでここに居座るのは胸くそ悪い、というのは理解できる。
人伝に、どこかの寮長がオーバーブロットという命の掛かった事故を起こし、彼女はそれを止めたと聞いたが、僕は全くもって彼女に興味はなかった。どうせ上級生が守っていたのだろう、簡単なことだ。
自分で言うのも何だが、僕は模範的な生徒だ。成績は常に学年10位〜15位くらいをうろうろし、校則は破ることはなく、授業でも寝たことはないし適度に挙手もする。自分と周りの奴らだけで学園生活は完結するであろう、そう信じて疑わなかった。
さて、寮生活をしていれば当然大食堂を利用する機会がある。いつだって騒がしい昼休みで、一際騒がしいテーブルは目を引いた。うるさいな、という気持ちでそちらを見やれば、揺れるスカートが目に入る。なるほど彼女が噂の監督生か。そういえば自分は彼女の顔を知らない。そう思って視線を上にシフトさせる。
彼女は笑っていた。優しく困ったように。眉をハの字に下げて、口角は反対に上げて。焦げ茶色の肩下の髪の毛は艶がなく、制服もお下がりなのかボロボロ。きっと肌も荒れているのだろう。
そんな客観的な事実は横へ置いておいて、僕は電気の駆け巡ったような感覚に襲われていた。尾てい骨の辺りから脳天まで突き上げるようなゾクゾクとした震え。心臓の高鳴り。無意識に唾を飲み込んで、息は止まっていた。てのひらに爪を立てて、歯を食いしばる。胸が締め付けられる感覚。
そして僕は思った。
�倏韻蠶戮靴燭き�
...と。
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シーレーン - ヘンゼル先輩…!!なんか涙出てきました。もう引き込まれちゃいますね。 (10月28日 19時) (
レス) @page7 id: 2c0af216aa (このIDを非表示/違反報告)
かれーのるー - なんかバグりましたすみませんw (2022年1月25日 0時) (レス) id: ff37b677a5 (このIDを非表示/違反報告)
かれーのるー - 大スランプ…年に数回ありますよね…ネタは浮かぶんですけど、それを書き起こす気力がなくなる、というか。文章が何一つ浮かんでこないんですよ…陽炎さんはスランプでも頑張っている陽炎さんの小説、本当に大好きです。体調に気をつけて一緒に頑張りましょう！ (2022年1月25日 0時) (レス) @page5 id: ff37b677a5 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - 『配られたカードで勝負するしかないのさ』ってスヌーピーですよね｡バットエンド大好き民ですから陽炎さんの作品は有難いです｡【生徒会長は胃痛持ち】で初めて知りましたが､これからもずっと応援しています｡ (2022年1月23日 3時) (レス) id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽炎 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kagerouhp/
作成日時：2022年1月22日 17時
