通訳者が3人 ページ5
そして、次に残りの6枚の資料を見せつける。これがどういうことを意味するか……。
「あっ(察し)」
『俺は…！！今から…！！6つの戦場を駆け巡らなければならないのです……！！』
「生きて……帰って来いよ…！！！英雄！！！」
「兄さんたちの寸劇はいつも迫力が凄いね」
オルト君に少しドライな反応をされたが、まぁよしとしよう。
2人に“学園長に雑用を押しつけられたから、メンテナンスを手伝えない“ということを伝え、泣く泣く寮を飛び出し、まず最初にスカラビア寮へ行くことにした。
あそこの寮長であるアジーム君は朗らかだからきっと難なく渡せるだろう。
さて、スカラビア寮へlet's goだ。
＿スカラビア寮＿
ほわん、と鏡舎からスカラビア寮へ移動する。未だにワープには慣れず、いつも背筋がぞわっとする。
寮の入り口には当然、誰も居ない。
「失礼しま〜す」
気の抜けた言葉がこだまする。おそらく、談話室とかには副寮長のバイパー君とかが居るだろう。ごめんだけど最悪、彼に押しつければいいかな()
そう思い、談話室へと歩を進めた。
「おーい！A〜！」
突如、上空から明るい声が聞こえてきた。風がふわ、と俺の髪の毛を撫でていく。魔法の絨毯に乗り、光に照らされたアジーム君が目に入る。彼の笑顔がより一層眩しく見えた。
「おい！カリム！！」
俺も挨拶しよっと。そう思い、彼がいる上空に手を振り声を発した。だが、アジーム君の後ろから聞こえてきた少々怒ったような声にかき消されてしまった。
かき消されたとしても、挨拶しないのは礼儀知らずだよね！！俺、そういうイメージ着いちゃったら嫌だし。
そう思い、再度口を開く。
『アジーム君もバイパー君も、ご機嫌よう』
「よう、A！」
「あぁ、Aか。」
アジーム君が地上に降り立ち俺の隣に来て笑顔で挨拶を返してくれた。イケメン。
すると、バイパー君も小さく手を振り俺の隣に来て微笑みかけてくれた。イケメン。
うわ、なんかイケメンに挟まれてんだけど。ここに俺がいること世界の損失すぎる。
乙女ゲームのヒロインをここに召喚してくれ、と心の中で願っていたらバイパー君が俺に問う。
「どうして、きみがここに？」
「多分俺がシュレッダーにかけちまった寮長会議の資料を届けに来てくれたんだろ？」
俺の手にある資料を見て、アジーム君は反省したような顔でそう答えた。
続く (更新停止中)
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作者名：青天の霹靂 | 作成日時：2023年11月18日 18時
