Prologue ページ1
side.mob
「違う！違うんだ！俺らはただ、依頼されただけで！」
俺がそう声を張り上げると、腕を掴む力が少し緩くなる。それでも、振り解けない力なのだが。
目の前に立つ華奢な少女が首を傾げて口を開いた。
『でも、依頼を受けちゃったんでしょう？ーーー第二王子を、殺せという依頼を』
だったら駄目じゃない、そう少女は笑う。
少女の双眸が、三日月のように細められ口角がゆっくりと上がっていく。ちろり、と少女が唇を舐めた。
腕を掴む力が、強くなる。真っ白で細い腕の、どこにそんな力があるのか。
俺がそんなことを考えながら必死で辺りを見渡すと、近くで倒れている仲間たちと、その横でぼりぼりと何かを食べているーーー何を食べているかは、考えたくないーーー黒い影。
少女はそんな影をちらりと見て、俺に微笑みかける。
『大丈夫よ。すぐに貴方もお友達と一緒のところに行けるわ。ーーーまぁ、その時にはもう死んでいるでしょうけど』
ひっ、と口から情けない声が漏れた。その声を聞いた少女が、より一層微笑みを深くする。
「……悪魔だ」
思わず口から出た言葉。
その言葉にも少女は笑い、更には黒い影に嬉しそうに告げるのだ。
『レイ、今の聞いた？私が悪魔、ですって。貴方たちとお揃いよ』
「んぐ、はぐ。……え、ごめん何も聞いてなかった」
『もう。‥‥まぁ良いわ。そっちを食べ終わったら、次はこっちのよ』
「ん、了解。……ばりぼり、むしゃ」
黒い影と会話を終えた少女は、俺の前にゆっくりと座った。長い紫の髪が、風を孕んで靡く。
少女は紫の瞳で俺をまっすぐ見つめながら、静かに話し始めた。
『私はね、この学園で門番をしているの。それが、この学園に置いてもらえる条件……っていうことね』
あり得ない。
どうしてこんな少女が門番なんてやっているのか。そんな情報など、聞いたことがない。
それに、あの影は何だ。どうしてあんなものがこの少女の言うことを聞いているんだ。
死ぬ、と分かったからか疑問が次から次へと頭に湧いてくる。
そんな俺を見て少女は『答えてあげる。聞きたいことは？』と首を傾げた。
「……お、お前みたいなやつの‥‥情報なんて聞いたことが、ない」
『あら、それは当たり前よ。だって。ーーー全員殺してるもの』
震えた声で少女に問うと、少女は満面の笑みでそう答えた。
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オナモミン - 通行人さん» ありがとうございまふ^_^ (2020年9月12日 14時) (
レス) id: 067328da22 (このIDを非表示/違反報告)
通行人 - 好きでふ^ - ^ (2020年9月10日 22時) (レス) id: c858f8ffd0 (このIDを非表示/違反報告)
オナモミン - 天の河さん» 好きだと言ってもらえてとても嬉しいです！コメントありがとうございます！ (2020年9月6日 17時) (レス) id: 067328da22 (このIDを非表示/違反報告)
天の河 - あああああああああああありがとうございますぅ！！！あと夢主ちゃん達のキャラもとっても好きです。 (2020年9月6日 15時) (レス) id: cb69af0fdb (このIDを非表示/違反報告)
オナモミン - 天の河さん» 嬉しいコメントありがとうございます！ユニーク名、是非使わせてもらいますね！ (2020年9月6日 13時) (レス) id: 067328da22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オナモミン | 作成日時：2020年9月6日 9時
