【４３匹目】 ページ47
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｢…っ、！｣
魔法を使う度にどろりと黒い液だまりが身体にたまった感覚がする
それなのに目の前の怪物は特に大きな怪我もしていなかった
…あと少し魔法を使ったら、ブロットがキャパを超えちゃう
それを防ぐために図書館内を走り回って蔦を避けてるのに、結局追いつかれてしまって魔法を使うの繰り返し
どうしようっ、
もし、オーバーブロットしたら
自我を失うなんて絶対いや
そんなことになって、もし彼を傷つけてしまったら
｢…っ！｣
目の前に現れた蔦を火魔法で払う
その間に死角に別のものが伸びていたのか、ぎゅるぎゅるとふくらはぎまで絡み取られ、力強く引きづられた
｢…なに、これ…｣
元々少ない魔力がさらになくなっていく感じ
力が入らなくなってきて、視界が霞む
｢ぁ"…っ、、｣
きゅうと絡みついた蔦が、喉をしめる
魔力がなくなったやつには興味がないと言っているかのように、喉をしめる力が増していった
どんどん空気の通り道が狭くなっていく
視界が涙で歪んで霞む
振りほどこうとしても腕に力は入らない
誰か、なんて声も出ない
｢…れ、ぃぅ"…す｣
汚い声が、絞り出るように響く
こんな声もきっと、届いてなんて…
抵抗していた腕が重力に従う瞬間
ドンと大きな音が図書館内に響いた
｢…お前は俺を怒らせるのが上手いらしい｣
その声を聞いただけで、涙が溢れた
ブチりと蔦がちぎれる音がして、息が通る
｢ごほ…っ、｣
口で手を抑えて咳をした後、上を向く
そこには、怪物に向かって明らかにブチギレた顔をしたデイヴィスが立っていた
｢感謝しろ、この俺が塵一つ遺さず消してやる｣
珍しくブチギレな彼は、放った火魔法で本当に塵一つ遺さず怪物を消してしまった
図書館内にあんなに張り巡らされていた蔦は完全になくなっていて、それを見て身体の力が一気に抜ける
｢おい、大丈夫か｣
すかさず彼が駆け寄ってきてくれて、私の身体を支えてくれた
私は魔力が完全に切れていて、張り詰めていた気も抜けてしまったのか身体に力が入らない
｢れ…いヴぃすっ、｣
ただ彼が助けに来てくれたことの安心感と、自分が生きていてよかったことへの安心感が同時にきていた
｢遅くなってすまない｣
申し訳なさそうな顔をして、彼は私の首をなぞるように触る
｢…っ、｣
｢痕…ついてる？｣
私の問いに対する彼の表情は悲しいもので、それを見て痕がついてるんだと認識した
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あおい(プロフ) - 初コメ失礼します。リクエストになるのですが、二人が大喧嘩をしてしまう様子を見たいです！よろしくお願いします。 (2020年8月10日 0時) (
レス) id: 34a265efc7 (このIDを非表示/違反報告)
あすか - 素敵なお話ありがとうございました！！ (2020年8月9日 18時) (レス) id: 25d1c36d01 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - んんん、耳と尻尾が生えたクルーウェル夫婦最高でした…！まじでごちそうさまでした (2020年8月5日 20時) (レス) id: a494b1d180 (このIDを非表示/違反報告)
あすか - 最高過ぎます！！リクエストになるのですが、、、魔法の力を高めたい夢主ちゃんはマレウスとリリアに教わり仲良くなる様子が見たいです！ついでにクルーウェル先生とリリアの絡みがあれば嬉しいです。笑 (2020年8月3日 17時) (レス) id: 25d1c36d01 (このIDを非表示/違反報告)
ふぇお - 最高でしたありがとうございました (2020年8月3日 15時) (レス) id: ec620c1410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ x他1人 | 作成日時：2020年7月28日 19時
