【ツイステ】ヴィランじゃないので帰らせてください。2 (ページ16)

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開眼ユニーク！2 ページ16

じゃあ、なんで
あんなことを言ったのだろうか。

「偽りの蝶(イミテート･ザ･ボイス)。」

『イミテート……ザ？』

訳が分からない単語に混乱する私を置いて
ヴィルさんは続けて語った。

「アンタのユニーク魔法。
所謂、コピー魔法って感じかしら。」

私の……いや、

ヴァネッサさんのユニーク魔法……。

「もう一度同じ曲かけるから、
魔法を唱えて踊ってみなさい。」

『……はい。』

半信半疑で、私はユニーク魔法を口にした。

『偽りの蝶(イミテート･ザ･ボイス)』

どこからか蝶がやって来て
私の周りをくるくると舞う。

「ボーテ……実に美しい。
流石、蝶の君(ロア･ドゥ･パピヨン)。」

「さぁ、流すわよ。」

～♪～♪

スピーカーから、さっきと同じ曲が流れ出す。

〔そのまま意識を集中させて〕

『……。』

〔私は完璧だと強く願うの〕

私は完璧……。

『～♪～♪』

〔ね？あったでしょ？貴方(アタシ)だけの才能。〕

ありえない。
ついさっきまで踊れなかったのが嘘のようだ。

覚えていなくても
スルスルと動きが身体に刻み込まれている。

「分かったかしら。アタシの言ってた意味が。」

『はい。』

でも、これをレッスンの度に使うのは……

ﾊﾞﾀｯ

「Aくん？！」

『あぁ、目眩なのでお気になさらず。』

駆け寄るルークさんに
心配いらないと私は言った。

小さな魔法にも慣れていないのに
いきなりユニーク魔法なんて使うから。

『……でもこれはこれで』

アリかも。

推しと同じ痛みを味わっていると考えれば。

ブロットってこんな辛いんだな。
ここに来なきゃ一生知ること無かったな。

「いきなり無理させてしまったわね。
少し早いけれど、今日のレッスンは終わりにしましょう。明日からは、ユニーク魔法の使用は一切ナシで取り組んでもらうわ。」

その方が私も有難いかも……なんて。

想像以上にユニーク魔法きつい。

それにしても、聞こえてきたあの声は
一体なんだったんだ。

なんだか頭も痛いや。

「寮の案内はもう済んだのかしら？」

「あぁ。ここが最後さ。」

「なら、この子はもう部屋に戻しなさい。
体調管理のサポートも指導係の務めよ。」

ヴィルさんは、私の身体を起こすと
そのままルークさんに渡した。

「ウィ。もちろんさ。
如何なる時も彼女には美しくいて欲しいからね。」

ルークさんは怪しく笑った。