【ツイステ】ヴィランじゃないので帰らせてください。2 (ページ14)

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誘惑ポワゾン！3 ページ14

ついつい魅入ってしまうくらい
ヴィルさんは美しかった。

流れる汗もまた
キラキラと輝くエフェクトのように
反射して素敵である。

「そこで見ていないで、
こっちに入って来なさい。」

中から、ヴィルさんが
こちらを見ることなく私達に呼びかけた。

『えっ、気づいて……？
こっち見てませんでしたよね……？』

第3の目でも持っているのだろうか。

「当たり前じゃない。気が散るもの。」

そう言ってパネルミラーを指差した。

『あぁ……なるほど。』

写っていたと。

第3の目じゃなくて安心した。

「で？アンタ達はそこで何をしていたのよ。」

「寮の案内さ。
分からないまま過ごすのは不便だろう？」

第一、寮なのに広すぎて
教えて貰った半分はもう抜けている。

一度迷ったら最期だと思う……。

「そうね。あ……そうだわ。
寮を見て回っていたなら、
アンタ達、エペルに会ってないかしら？」

ヴィルさんは思い出したかのように
エペルくんの行方を尋ねた。

「確か、今日はムシュー･姫林檎との
レッスンだったね。彼は居ないようだが……。」

「えぇ。逃げたのよ、あの子。」

だから私達からも逃げたのか……。
ルークさんはレッスンの事知ってたもんね。

「ならば、変わりにキミが受けるのはどうだい？」

そして、全てを知っているルークさんは
私に無理難題を提案してきた。

『いやいや……無茶です。』

逃げたエペルくんを
レッスンに連れ戻すのは心が痛む。

でも、ヴィルさんを不満にさせるのも嫌だ。

ならば、"私(キミ)を"身代わりにしよう
って作戦か？！？

「良いわね。ここに慣れてもらうためにも
アタシとルークでみっちり教えてあげるわ。」

提案に乗ってしまったヴィルさんは
ふふふ。と怪しい笑みを浮かべている。

その笑顔はなんですか。
美しすぎて逆に恐怖ですよ。

『ダンスとか無理ですって……ほんと……。』

「おや？キミなら受け入れてくれると
思ったんだが……仕方ない……。
諦めて、ムシュー･姫り……」

『やります！！』

諦めてエペルくんを探し出すと
言い出そうとしたルークさんの言葉を遮った。

なんだか上手く乗せられた気がするけど。

『……教えてください。』

「そんな怯えないで頂戴。大丈夫。
まぁ、きっとアンタなら"すぐに"出来るわ。」

何か意味ありげに
ヴィルさんは、大丈夫だと言った。

『いや、流石にすぐは……無理すぎません？』