【ツイステ】ヴィランじゃないので帰らせてください。

たまには逆も良いだろ？4〈トレイ･クローバー生誕お祝いストーリー〉 ページ32

ケーキと言えば
私達も作ってきたものがある。


「そうそう、
約束通りオレも作ってきたよ。」

おめでとう、トレイくん。

と、リドルさんのように
ケーキ箱を渡すケイト先輩。


「驚いた……本当にケイトが作ったのか？」


甘い物が嫌いなケイト先輩が
ケーキを作るなんて
思ってもいなかったらしい。


「そうだよ〜。ね？Aちゃん。」


『はい。"ちゃんと"作っていましたよ。』


そう、ケイト先輩が。


私は助言をしただけで
作るのはケイト先輩がしていた。



「ありがとうな、ケイト。」



だが、私たちが用意したサプライズは
これだけでは無い。




「いいのいいの！
折角だし、皆で食べようよ！」


『そうですね！
他の皆さんにも食べてもらいたいです。』



私とケイト先輩は顔を見合わせ

ケーキに隠されたトリックが
まだ、バレていないことに安心する。


「前回のなんでもない日リベンジに続き
今回はケイト先輩のケーキを食べる感じ？」


いいじゃん。と乗ってくれたエース



「それなら、リドルが用意してくれた
ケーキも一緒に皆で食べるか。」



よし。ここまでは計画通り。


「じゃあ、オレとAちゃんで
切り分けてくるからちょっと待っててね。」


「あぁ、頼む。」



渡した箱を一度自分の手元へと
回収する。



「カット用のナイフと
取り分け皿も用意してあるはずだよ。
ほら、そこに。」


リドルさんが指さす方には
ケーキを取り分けるためだけの
テーブルセットがあった。


「それじゃあ、パパッと終わらせちゃおうか。」


箱からケーキを取り出して
カットしていく私達。


ケイト先輩は、自分で作ったものを。

私は、リドルさんの作ったものを。


『"見た目は"普通のケーキに見えますね。』


切り分けるのは少し心配だったが
問題なさそうだ。


リドルさんの作ったいちごのタルトも
キラキラとナパージュが輝いていて美味しそう。


きっと、トレイ先輩に
もう一度いちごのタルトを作ってくれないか
なんて頼まれたんだろう。きっと。


「うん、マジカメにも映えそうだね！」

取り分けが終わったケーキセットの写真を撮り
私達は、皆へ渡した。



『トレイ先輩、誕生日おめでとうございます。』


ケーキの乗った皿とフォークを渡すと
そのまま手首を引かれ、バランスを崩す。


危なっ！
ケーキ落ちるとこだったんだが！？




『ちょっと！？トレイ先輩？！』



そして、トレイ先輩は
私の耳に顔を近づけてこう言った。

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