【ツイステ】ヴィランじゃないので帰らせてください。

従前ナレッジ！2 ページ12

そういえば
魔法は使えるのだろうか。


私は、胸ポケットに刺さっていた
ペンを取り外して、握ってみる。


『本物だぁぁぁ！』


キラキラ輝くグレーの宝石


きっと私の目も
感動でキラキラ輝いているだろう。


『いでよ！箒！』


魔法使いが乗るような
竹箒をイメージし、念じる。



すると、どこからか
ヒュンと箒が現れた。


『お、おぉ。』


凄すぎて言葉が出ない。

このレベルの魔法、ここの人達にとっては
朝飯前だろうけど


普段、魔法に馴染みのない私からしたら
とても感動的だった。




『箒にも乗れるのだろうか？』


いや、でも……オクタヴィネル寮なんだっけ。


あの3人を見た限り
飛行術が得意そうなイメージは無い。


乗るのは今度にしよう。



私は、また魔法を使い
箒を元の場所へと返した。




魔法も使い過ぎてブロットしないように
気をつけなきゃ。



ヴァネッサはユニーク魔法持ってるのかな？

魔法を目の前にしたことで
ワクワクが止まらなかったし

ヴァネッサについても
もっと知りたくなった。


彼女はどうやってここに入学したんだろう。

得意な教科は？
好きな食べ物は？


誰と仲がいいのかな……？





なんて





ヴァネッサだけは、
なんの情報も無しに成り代わってしまったのだ。


困ったものだよ。





どうして私が彼女の成り代わりを。



夢小説のトリップ物のような展開とは全く違う。

神なんていないし、何も分からない。


分かるのはゲームの知識とか
前世の記憶だけ。


これで全く知らない世界だったら

って考えると


とても怖い。





どこでもいいなんて
誰でもいいなんて


嘘じゃないか。


結局、


自分は自分のままでいれた方が
幸せだったんだ。

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