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 早い所意識を奪っておけばよかった。まあ、今からでも遅くはない。しゃがみ込む男の股間でも鋭いヒールの先で蹴り上げておこうかと思った矢先である。




「…〜ッ!?ぐ…!!ぁ、…」

 バチンと目の前で火花が散ったような感覚がして、背中を刺されたような鋭い痛み。思考が揺れる。
 電流だろうか。判別がつかないのは、少なくとも俺は前の世界でスタンガンを使われるほどの悪ではなかったからである。


 コツコツと、自分の物じゃないヒールが地面を叩く音が聞こえる。女が立っていた。


「馬鹿ね。油断するからよ」
「ふっ、…流石はクルーウェルの女か…。少し甘く見ていた」

 少し苦し気に立ち上がる男に向かって女が笑う。その目は、思わず倒れ込む俺を見下していた。


 この女、トイレ内にずっと籠っていたのか。気が付かなかった。否、油断していたのは俺の方かもしれない。
 男は、女と共に席に座っていた。何故、もう一人の共犯者がいるということにまで頭が回らなかったのか。


 まずい。意識が、落ちる。落ちてしまう。

 今居るのは学園内じゃない。意識を飛ばしたら、終わり。明確な敵を前にして、膝を折るわけにはいかない。
 しかし、席からあまりにも遠い此処じゃ、クルーウェルが駆けつけることもできない。


「っ、…クル…ウェ…せ…」


 強制的に落ちていく思考の中で、監督生は叫ぶ。しかし、その声が届くことは無い。

 喉が張り付く。意識がドロドロと溶けていく。もう、舌に力は入らない。


「……た、……け…」


 それでも、彼は確かに紡いだ。





 『たすけて。』と。


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副村(プロフ) - やまかさん» わー!ほんとだ!!!見返ししていなかったのが仇となりました…。お恥ずかしい限りです。申し訳ございません。ご指摘ありがとうございます。これからもご愛読いただける作品になりますよう努めてまいりますので、よろしくお願いいたします…! (2020年10月11日 2時) (レス) id: f5b1efd963 (このIDを非表示/違反報告)
やまか(プロフ) - いつも面白いお話をありがとうございます。これからも陰ながら応援させて頂きます。 (2020年10月11日 2時) (レス) id: 889b8b96c0 (このIDを非表示/違反報告)
やまか(プロフ) - はじめまして、いつも拝読させて頂いおります。1つ訂正して頂きたい箇所がありましてコメント致しました。クルーウェル先生の名前の事なのですが、『デイヴィス・クルーウェル』です。『デイヴィル』となっておりますので訂正して頂けると幸いです。 (2020年10月11日 2時) (レス) id: 889b8b96c0 (このIDを非表示/違反報告)
副村(プロフ) - 星猫さん» 知っているアニメ…!?副村(私)のでしょうか…?最近は殆どですが、数年前はアニメ観まくってましたー笑 (2020年9月30日 2時) (レス) id: 7af6887a6c (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 副村さん» 知ってるアニメは何ですか? (2020年9月29日 22時) (レス) id: dba8a79b51 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:副村 | 作成日時:2020年9月23日 22時

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