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「なんであいつ、ラギーの奴と飯食ってるんだゾ?」
「レオナ先輩に言われて監督生呼びに来たラギー先輩に喧嘩売って、代償があれらしいぞ」
「あいつ、レオナに挑む前にラギーにも負けたんだゾ?」
「多分そうだろ。流石にレオナ先輩に勝てる奴なんていないでしょ」
一個テーブルを挟んだ所で、いつも監督生とご飯を食べている三人組が、パシられている監督生を遠目に見ていた。
「でも、監督生、昨日一日中「面白いモンが見れるからサバナクローまで見に来い!」って廊下で大声で宣伝して人呼びしてたけども、あいつ、殴られる姿を人に見せたい趣味でもあるのか?」
「バスケ部の先輩見に行ってたらしくて、後から話聞いたんだけど、酷い目にあった…って嘆いてたわ。レオナ先輩と外野巻き込むくらいデカい喧嘩でもしたんじゃねーの」
「ちょっと待って、欲しいんスけど」
その会話に無理矢理入り込む。
人呼びをしていた?監督生が?何のために?
確かに今思えば、あの中にはサバナクロー寮生だけではなく、他寮の生徒も沢山居たと感じた。
勿論、あんな負けるのが嫌いそうな、プライドの塊みたいな奴が、殴られる姿を見世物にしたいだなんて、そんな訳がない。
何かを広めたかった。何かを学生達に見せる必要があった。では、一体何を?
『俺の事舐めてるからそうなるんですよ。…お前らもだ』
お前らも。そう、監督生は言った。
…まるで、大衆に聞かせるように。俺の事を舐めるな、と。
「エースくんの先輩って、監督生の事なんて言ってた?」
あの場に居た全員が監督生のユニーク魔法にかかっていた。
レオナさんと監督生はすぐにあの場から去ったから見ていないだろうが、あの場にオレは最後まで残ったから見ていたのだ。
「え?いや、別に特にそんな具体的には聞いてないんですけどー、あ、でも一つ言ってたな」
エースが、思い出したかのように、呟く。
「『エース、お前、オンボロ寮の監督生と知り合いか?何なんだアイツ…?噂と全く違うじゃないか…』って。うーん、まあ、アイツあの見た目に反して性格悪いからなー意外っちゃ意外ですよねー」
その場にいた人間は、全員腰を抜かしていた。彼に、魔力を持たないと見下していた人間に対して、抱いた感情は一つ。
「なーに、一年坊に怯えてんだ!って話ですよね!なんか、めっちゃ監督生の事怖がってましたよ先輩」
あの場の人間が監督生に抱いた感情は、恐怖だった。
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副村(プロフ) - やまかさん» わー!ほんとだ!!!見返ししていなかったのが仇となりました…。お恥ずかしい限りです。申し訳ございません。ご指摘ありがとうございます。これからもご愛読いただける作品になりますよう努めてまいりますので、よろしくお願いいたします…! (2020年10月11日 2時) (レス) id: f5b1efd963 (このIDを非表示/違反報告)
やまか(プロフ) - いつも面白いお話をありがとうございます。これからも陰ながら応援させて頂きます。 (2020年10月11日 2時) (レス) id: 889b8b96c0 (このIDを非表示/違反報告)
やまか(プロフ) - はじめまして、いつも拝読させて頂いおります。1つ訂正して頂きたい箇所がありましてコメント致しました。クルーウェル先生の名前の事なのですが、『デイヴィス・クルーウェル』です。『デイヴィル』となっておりますので訂正して頂けると幸いです。 (2020年10月11日 2時) (レス) id: 889b8b96c0 (このIDを非表示/違反報告)
副村(プロフ) - 星猫さん» 知っているアニメ…!?副村(私)のでしょうか…?最近は殆どですが、数年前はアニメ観まくってましたー笑 (2020年9月30日 2時) (レス) id: 7af6887a6c (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 副村さん» 知ってるアニメは何ですか? (2020年9月29日 22時) (レス) id: dba8a79b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:副村 | 作成日時:2020年9月23日 22時