P−16◆魔力を持たない新入生 ページ19
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「あっ、はい……」
クロウリーに言われるがまま、といった感じで、少年が少し躓きそうになりながらも「鏡ってこれだよな」と呟きつつ闇の鏡の前に辿り着く。
これで良いのかと言わんばかりに彼がクロウリーの方を見やると、闇の鏡はすぐに反応を示した。
「汝の名を告げよ」
A達からしてみれば本日何回目か分からないそのフレーズも、少年にとっては初めてだ。若干の緊張を感じるような声で答えた。
「ユウ、です」
「ユウ……汝の魂のかたちは…………」
そう言ったっきり、闇の鏡は深い沈黙を貫いてしまった。眉間に皺が寄り、鏡のただでさえ難しげな顔がより険しくなる。
鏡がここまで熟考するのは見たことがない。初のケースに鏡の間がほんの少しだけざわつく。
──ふと、沈黙の帳が破られた。
「──わからぬ」
「……何ですって？」
「えっ？」
思わず、という風にクロウリーが聞き返す。Aも今度は声を抑えきることが出来なかったのだが、その声は鏡の間に巻き起こった軽いどよめきによってすぐかき消された。
エースが戸惑い気味に囁いてくる。
「……分からないってことある？」
「いや、無いと思うけど……普通」
「この者からは、魔力の波長が一切感じられない……色も、形も、一切の無である。──よって、どの寮にもふさわしくない！」
魔力が無い。それ即ち、魔法が使えないということ。
名門魔法士養成学校の新入生が魔法を使うことができないなんて、そんな馬鹿なこと──いや、現に今目の前で起きているのだが。
「──そんな、こと……」
「魔法が使えない人間を黒き馬車が迎えに行くなんてありえない！ 生徒選定の手違いなど、この１００年ただの一度も無かったはず……一体なぜ……」
「ありえない」もののありえてしまった現状を前に、クロウリーが文字通り頭を抱えブツブツと考え込む。
その隙を見逃さず、狸(？)がクロウリーの腕から抜き出てきた。
「ぷはっ！ だったらその席、オレ様に譲るんだゾ！」
「あっ、待ちなさい！ この狸！！」
スタッと見事に着地した狸は、クロウリーの静止にも全く聞く耳を持たずに生き生きとした様子で駆け出した。やっと自由の身になれて楽しそうだ。
小さな動物が苦しむ様子は見たくなかったため、Aが思わず「良かった」と溢すが、あの狸はクロウリーに軽く拘束されていたのだ。
冷静に考えて、そんな狸くんが場に解き放たれるのはあまり良くないのではと考え直す。
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ヒメアミ(プロフ) - もちうさぎさん» お話が進んだりユニーク魔法とかがお披露目になったりすると多分速攻でバレる(？)と思うんですけど、一応某塔の上のプリンセスを元ネタにしてます……！😌 (2023年4月9日 14時) (
レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
もちうさぎ - 夢主ちゃんのモデルって誰ですか！ (2023年4月9日 5時) (レス) id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - ゆあさん» マジですか何よりでございますわ！！🥰彼にはただのマブで終わらず頑張ってほしいですね(誰目線？) (2023年4月7日 17時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - もう今回も最高でございましたわ！エースと仲良くなっちゃって！そのままくっつけー！！という願望 (2023年4月6日 22時) (レス) @page20 id: ce509c1850 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - ゆあさん» コメントありがとうございます！！ 続け方には気を付けてるのでそう言っていただけて何よりです〜〜😭 頑張ります！！💪🏻 (2023年4月4日 12時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
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