【ツイステ】汝、大罪を従えし者【男主】 (ページ35)

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Ep.2-12 ページ35

Aside

ハーツラビュル寮に着くとエースくんたち1年生とけーくん、トレイさんが何か話をしていた。

「くっそーー！！ぜっっってぇ謝らねえからなーー！！！」

エースくんがそう叫んで寮から出ていくのを見て何か起きたことは分かった。

『………なんかあった？』

少ししんみり、というか変な空気になっているけーくんとトレイさんに話しかける。

「A…あぁ、エースがタルトを食ったお詫びにマロンタルトを持っていって」

「それが法律違反だってことに俺たちも気づかなくってさ～」

“けーくんさげぽよ～…”と言ってしょんぼりしたけーくん。

『マロンタルトダメだったんだ…まぁ、仕方ないよ。間違いなんて誰にでもあるし』

「Aくん……てか、寮服じゃん！」

『パーティって正装だったでしょ？僕の中での正装ってこれだから。』

けーくんの機転により明るくなった雰囲気のままパーティ会場へ雑談しながら向かう。

「デザインはディアソムニア寮の寮服に寄ってるが、色はうちの寮服に似てるよな。

似合ってるぞ、A。」

『ふふ、ありがとう』

「ね、ね、マジカメにあげていい？」

『もちろん。……あっ、リドルくん！』

会場に着いたところでリドルくんを見つけたから小走りで駆け寄る。

「A！いらっしゃい。」

『遅れてごめんね。…あ、これ遅れたお詫び』

「事前に聞いていたし、お詫びなんていいのに…」

『塩キャラメルとチョコのオンブルケーキ、味の保証はするし、受け取って！』

遠慮するリドルくんに押し付けると綺麗に微笑んでお礼を言ってくれたリドルくんにつられて笑う。

予定が押してるらしく、急いでクロッケー大会の準備をする皆をトレイさんが作ったタルトを食べながら眺める。

『………リドルくん。』

隣のリドルくんに目を向けて話しかける。

「なんだい？A」

『……あんまり、無理しないでね

リドルくんの性格上、ストレス溜めやすいと思うし。

…話しにくいなら僕とかじゃなくてもトレイさんとか近しい人に必ず相談すること！』

「急にどうしたんだい？…それにキミの手を借りるほどの事でもないよ。」

その言葉を聞いてまたタルトを頬張った。

チラリ、視界の端に見えたマジカルペルは鮮やかな赤ではなく、くすんだ真紅の色をしていた。