【ツイステ】汝、大罪を従えし者【男主】 (ページ15)

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Ep.1-12 ページ15

ヴィルside

「なっ…なんでアンタが……」

目の前にしれっと座っている美少年。

「どうしたんだい？麗しのヴィル。君が声を荒らげるなんて……おや……」

後ろからルークの声が聞こえるけど、その声も途中で途切れる。

「A！！どこ行ってたの！！？」

「罪の君(ロア・ドゥ・シン)！！帰ってきたんだね！！？」

アタシとルークの声が重なり、一瞬食堂内が静まって、またザワザワとしだす。

『実家だけど……とりあえず座ったら？2人とも』

視線がうるさいとでも言うように眉をひそめたAに従って大人しく座る。

『＿＿って感じで、まぁ僕の伝達ミスと学園長の知らせ忘れが原因。』

Aからざっくりと説明されて納得する。

時間のズレがあるなんて知らなかったわ。

というかあの子の出身地ってどこなのかしら……

「なるほどね。アタシてっきり、退学かどっかで野垂れ死んでるのかと思ったわ

エペル、姿勢」

「痛っ！！！」

エペルの背中に喝を入れて正す。

たとえ大事な話でも美は忘れないわよ。

「ヴィルに勝るとも劣らない美しさの君のことだから、天使に攫われたのかと……！

でも無事でなによりだよ。」

そう笑顔で言ったルークの言う通り、Aはアタシが認めるくらい綺麗だし、その上ぼーっとしてる事が多いから攫われる可能性だってある。

勝手に殺さないでよとため息を吐いて食事をすすめるA。

「ため息つきたいのはこっちよ。死ぬほど心配したんだから…」

はぁ、と目を伏せてAに視線を送る。

『…寂しかった？』

なんてニンマリとした意地の悪い顔で聞いてくるAに顔から熱が出る。

「は、はぁ？何言ってんのよアンタ。

…ってルークもニヤニヤしないでちょうだい！」

『えぇー…リリアくんとかマレくんは寂しかったって言ってくれたのに……』

口を尖らせてジト目を送ってくるAは去年よりもどこか大人びて、綺麗になった感じがする。

Aは仲のいい友人が手入れを毎日してくれているって聞いたけど、何故か会わせてくれない。

「もちろん、私は寂しかったよ。」

“心配の方が大きかったけれどね”と平然と言ってのけるルークを羨ましく思う。

「はぁ…アタシやルークより寂しがってる輩が沢山いるわ。」

覚悟しておくことね。