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夫婦かな?
周りの人たちの気持ちは今ひとつになった。勿論、それを言う猛者は居なかったけれど。
甘やかす父親と叱る母親の図。子供は母と同じ歳だけど。
「……はぁ。取り敢えずAはここに飴ちゃんペッしなさい」
『ぺー』
ヴィルから差し出されたティッシュの中にAは飴を出す。それを丁寧に包んで、ヴィルはゴミ箱へと捨てた。
丁度そのタイミングでルークが戻ってくる。何故か隣にはハーツラビュルの三年を連れていた。
Aの姿を見たケイトが、片手を上げる。トレイも「おっ」と笑った。
「Aくん!おひさー」
「A、久しぶりだな」
ケイトとトレイはそれぞれ自分のご飯を持って、Aの前の席へと座る。ルークもヴィルの隣に腰を下ろした。
ことんとAの前にお粥が置かれる。作り立てのそれは、ほかほかと温かそうに湯気を立てていた。
ルークがAにスプーンを渡す。Aは『ありがとう』と笑って受け取った。
『……いただきます……』
両手を合わせ頭を下げて、Aはお粥を食べ始める。
木べらのスプーンでお粥をすくい、ふーふーと息をかけて冷ます。湯気が少なくなってきたのを確認して、Aはお粥を口に含んだ。
多少は熱いが、それでも食べられないと言うほどではない。ゆっくり咀嚼して、喉奥まで流し込む。
『……美味し』
シンプルで素朴なものだが、どこか温かい味にAは口元を綻ばせる。三年組が思わずと言う風に胸を押さえた。
ライはもう一口だけ食べた後、容器をレオナの方へ持っていく。
『……あげる』
「ほんと、Aくんって食細いよね。大丈夫なの?倒れたりとかしてない?」
『……ん。僕低燃費だから』
ケイトの質問に答えていると、不意にAの口元にスプーンが差し出される。先ほどの半分の量のお粥が入ったそれは、レオナが握っていた。
Aがレオナを見ると、呆れたような瞳と目が合う。レオナはため息をついて、Aの頭を軽く小突いた。
「お腹いっぱいだからじゃなくて、自分で食べんの疲れたんだろ。言わなきゃ分かんねーだろうが」
『……はぁい』
レオナの言葉に嬉しそうに目を細め、Aは小さく口を開く。そこにレオナがお粥を入れる。食べ終わったAがまた口を開く。レオナがお粥を入れる。
一連の動作を数回繰り返し、Aは緩やかに首を振った。
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紫苑(プロフ) - え、かーわーいーいー!何この子愛でたい甘やかしたい守りたいの三拍子が揃う庇護欲をそそられる子なんですけど!ショタ!?ショタですか!?それともロリですか!?ハート撃ち抜かれました (3月4日 15時) (レス) @page12 id: 89604d43a6 (このIDを非表示/違反報告)
遊ちゃん_SKZ(プロフ) - 続きを恵んでほしい、、!!!そしてラギーとの絡みが見たいッッッ!!!!! (2023年4月12日 16時) (レス) @page12 id: fe8355afed (このIDを非表示/違反報告)
yumi(プロフ) - どうか続きを恵んでください! (2023年3月14日 18時) (レス) @page11 id: 2ee13aea9b (このIDを非表示/違反報告)
zfっっっs - こむぎさん» モデルさんとか、綺麗な人はそのぐらいですよ。。。まぁ文字だけ見たら、そう感じるかもしれませんね。。。たしかに十分軽いですけど。。。 (2022年1月4日 13時) (レス) @page12 id: 9afd2abc65 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - タイトルを見て面白そうと思ったら、まさかのテロと同じ作者様…安定の面白作品ですね…!!続き楽しみに待ってます!…所でですが、所々に夢主の名前が変更されていない箇所があるので、名前を変えて読み直すことをお勧めします。 (2021年12月23日 6時) (レス) @page6 id: fb6be3cd03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズ鍋 | 作成日時:2021年11月30日 18時