159 欲しいものは何？ ページ41
▷ No said
「あ！！Aだ！！お〜い！！」
褐色肌に真っ白な髪、ガーネットの様に赤い大きな瞳をした生徒が中庭に向けて手を振ると、中庭にいた背の高い黒髪メガネの生徒が、小さく手を振り返す。
その様子を見た白髪の生徒が、嬉しそうにはにかむのを傍にいた従者は見逃さなかった。
「…A・ハスミと仲がいいのか？」
「ん？んー、まぁ、オレはそう思ってるけど…どうなんだろーな！！」
「アイツの周りでオーバーブロットが3件も起きてる。危険だ、関わるのをやめた方が良いんじゃないか？」
「それは嫌だ…オレはAと仲良くなりたい！」
「危険だと言っているんだ。お前に何かあったら俺が…」
「嫌なものは嫌だ！！Aを呼んで、宴をしたい！A〜〜〜ッ！」
「あ、おい、待て、カリム！！」
従者の制止の声も聞かず、走り去った背中を見つめていた従者は、長い前髪をかき上げながらため息をこぼす。
「…何で言うことを聞いてくれないんだ」
黒髪の生徒に抱き着いた主人は、心底嬉しそうに笑いながら何かを話している。
従者は二人に近づくために一歩一歩ゆっくりと歩みを進める。
「えッ！？宴かぁ…僕、大勢で騒ぐのは苦手、で…」
「そうなのか！？だったら、オレとジャミルと3人でってのはどうだ！？もちろん、オレの部屋で！！」
「…カリム、監督生が困っている。嫌がっているならすぐに引き下がれ」
「ジャミル！…先輩！！」
声を掛けると、黒髪の生徒はホッとしたような表情を見せ、サッと従者の後ろに入り込む。
その光景が気に入らないのか、白髪の生徒がムゥと口をとがらせる。
「Aはいつもジャミルばっかり！！オレの事、そんなに好きじゃないんだ！！」
「そ、んなことはないよ！？あぁ…泣かないで…？」
うずくまった白髪の生徒にオロオロとし始めた黒髪の生徒は、困ったように白髪の生徒の頭を撫でる。
その様子を、従者は冷めた目で見下ろし、再びため息を吐いた。
「はぁ…いい加減にしろ、カリム。17になってまで、泣き真似して後輩を困らせるな」
「え…？」
「あはははは！！驚いたか！？びっくりしたか！？」
「え！？全く泣いてない！！！だ、ダマされた……！！ジャミル先輩は流石ですね…僕全く分からなかったです…」
「…まぁ、長い間一緒にいるからな」
そう言った黒髪の従者は、嘲笑うような、死にそうな笑顔を浮かべた。
つづく
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shiba(プロフ) - ツナマヨさん» コメントありがとうございます！一気読み、ありがとうございます！感激です！！！これからも、応援等々よろしくお願いしますね！！ (2021年5月25日 17時) (
レス) id: 54373bcd9b (このIDを非表示/違反報告)
shiba(プロフ) - 白玉うどんさん» コメントありがとうございます！！好きだと言っていただけで本当にうれしいです！！これからもよろしくお願いしますね！！ (2021年5月25日 17時) (レス) id: 54373bcd9b (このIDを非表示/違反報告)
shiba(プロフ) - 睦月夜烏さん» コメントありがとうございます！アズールの刈り上げは最高だと思うんです！！笑これからもよろしくお願いします！ (2021年5月25日 17時) (レス) id: 54373bcd9b (このIDを非表示/違反報告)
shiba(プロフ) - Makua*ぼっちさん» コメントありがとうございます！そうなんですよ、オクタ可愛いんです！！！刈り上げ最高です笑 (2021年5月25日 17時) (レス) id: 54373bcd9b (このIDを非表示/違反報告)
shiba(プロフ) - misérableさん» 毎日チェック嬉しいです、本当に亀更新すぎて申し訳ないです泣これからもよろしくお願いします！！ (2021年5月25日 17時) (レス) id: 54373bcd9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shiba
| 作成日時：2021年4月6日 13時
