33 食堂に行くのはやめた ページ34
アズールと別れ、食堂に向かって歩いているとふと考える。
マロンタルトを作るのは何とか避けたい。
だがしかしどうやったらそのマロンタルトを作るフラグを叩ききることができるのだろうか。
『…裏庭にリンゴとかなってないかな』
リンゴがあれば、リンゴタルトに出来る。
リンゴタルトがセーフなのかは知らないが…怒りを買うと分かっていてマロンタルトを差し出すよりかはいいはずだ。
僕は食堂に向けていた足を裏庭に向け、歩き始める。
中庭を抜け、校舎裏を歩き裏庭へ着く。
『おぉ、思った通りだ…リンゴがたくさん……これならタルトを作れる』
案の定裏庭にはリンゴがたくさんなっており、赤く良く熟していておいしそうだ。
これを取ってみんなの元に持って行こう。
で、このリンゴでタルトを作ってリドル寮長にお詫びしようと仕向ければいいのだ。
我ながら言い案だ。
用意していた箱に次々とリンゴを詰めていき、あと少しという所で木の根元で誰かが寝ていること息が付く。
誰だと思い、顔を覗き込んで固まる。
サラサラの絹の様な白銀の髪に、端正な顔立ち。
すーすーと爆睡しているこの男は間違いなく主要キャラのシルバーである。
なぜこんなところで寝ているんだ！？
中庭とかじゃないのか、普通は！！
と、とにかく、早いところリンゴをみんなのところに……。
ｼﾙﾊﾞｰ「…セべク？どこに…」
『んぅお…っ！？』
最後の一つを箱に入れてその場を去ろうとした瞬間、寝ぼけて僕の足をシルバーが掴み、体勢が崩れてシルバーの上に倒れ込む。
その差数センチ。
シルバーの驚いたようなアメジストの瞳と目が合い、たじろぐ。
ｼﾙﾊﾞｰ「セベク…ではないな」
『ち、違います』
僕は慌ててシルバーの上から飛びのき、正座する。
シルバーも目が覚めてしまったのか、体を起こして何故か僕の顔を凝視する。
何かついているのだろうか…。
ｼﾙﾊﾞｰ「黒髪に黒い瞳…見たことない」
『へぇ…』
まあ確かに、この世界の人で黒髪黒瞳は見たことないが……。
いまする話か？
『僕、このリンゴを持って行かないと。お昼ご飯もまだだし…』
ｼﾙﾊﾞｰ「…もう昼か。俺も一緒に行く」
『エ』
立ち上がったシルバーは、ひょいとリンゴの箱を手に食堂に向かって歩き出す。
何も言わずに持ってくれるとか…ジェントルマンすぎてかっこいい。
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shiba(プロフ) - 青龍白さん» コメントありがとうございます！これからもどんどん更新していきますので、よろしくお願いします笑 (2021年4月2日 18時) (
レス) id: 8645b7cf02 (このIDを非表示/違反報告)
青龍白 - 主人公が好きすぎる。神作ありがとうございます！ (2021年4月1日 16時) (レス) id: d8df8c2201 (このIDを非表示/違反報告)
shiba(プロフ) - カルラさん» コメントありがとうございます！神、と言っていただけるほど、楽しんでいただけたようで嬉しいです！続編にも参りますので、応援よろしくお願いします！！ (2021年3月2日 13時) (レス) id: 54373bcd9b (このIDを非表示/違反報告)
shiba(プロフ) - ハチさん» コメントありがとうございます！タイプと言っていただけてすごく嬉しいです！笑これからもおうえんよろしくお願いします笑笑 (2021年3月2日 13時) (レス) id: 54373bcd9b (このIDを非表示/違反報告)
shiba(プロフ) - 巡さん» コメントありがとうございます！更新遅くて本当に申し訳ないです！！これから頑張っていきますので、よろしくお願いしますね笑 (2021年3月2日 13時) (レス) id: 54373bcd9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shiba
| 作成日時：2021年1月24日 10時
