11 カレー ページ12
あの後こっぴどく叱られ、すみません、と学園長に死ぬほど頭を下げたら、若干引いたような顔をしていたのには気が付かないふりをしようと思う。
今は昼食をとるために許可をもらった食堂に来ている。
にしても、流石は男子校の食堂。
育ち盛りの男子高校生が、わいわいと大盛りの昼食を取っている。
グリム「オレ様は温玉ハンバーグがいいんだゾ!!」
『温玉のハンバーグな。僕は…』
グリムが所望している温玉のハンバーグをトレイに取り、自分の昼食を探す。
結構何でもあるんだな…。
パスタにドリア、ピザ……やっぱり日本食はないか。
ふと目についた無難なカレーを取ろうと手を伸ばしたら、横から伸びた褐色の肌の腕がそのカレーの皿をとった。
『あ』
「?」
つい口から声が漏れてしまい、カレーを取った相手と、ばち、と目が合う。
男にしては艶やかでサラサラな長い黒髪に、切れ長の瞳。
ジャミル・バイパーだ。
ジャミル「カレーなら他の物もあるが…?」
『あ、うん。そうだよな、いやごめん、本物だなぁ、って思っちゃって』
ジャミル「…カレーがか?」
『え、あ、うん。そう、カレー久々だから』
ジャミル「へぇ…」
『…』
じと…っと見られる。
そりゃそうだ。
先ほどまでの僕の視線はカレーではなく、ジャミルに注がれていたのだから。
ジャミル「お前名前は?見たことない色のベストを着ているが…」
『えっと…』
確かジャミルはカリム・アルアジームの従者で、疑い深い性格。
この子に目をつけられてしまったらきっと厄介なことになる。
ここはうまくごまかして……。
グリム「コイツはAなんだゾ!!オレ様のお世話係!!」
ジャミル「A…?聞いたことのない響きの名前だな。本名か?」
『本名だよ……』
グリムがいることを忘れてた。
いや、待って。ジャミルって確か四章でオバブロした気が……。
その時監督生って確かスカラビアに監 禁されるよな…?
面倒くさい!!そんな物騒なことに巻き込まれたくない。
だったらどうするべきだ?
ジャミルがオバブロするのは、カリムへの不満。
だとしたらその悩みの種を僕が取り除いてやればいいってことか!
『ジャミル、何か困ったことがあったら僕が話を聞きますから。一人で抱え込まないでください』
ジャミル「…初対面の奴に言うことなど何もないが?あと、呼び捨てにするな」
『うぐ…すみません』
そりゃそうだ。
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shiba(プロフ) - 青龍白さん» コメントありがとうございます!これからもどんどん更新していきますので、よろしくお願いします笑 (2021年4月2日 18時) (レス) id: 8645b7cf02 (このIDを非表示/違反報告)
青龍白 - 主人公が好きすぎる。神作ありがとうございます! (2021年4月1日 16時) (レス) id: d8df8c2201 (このIDを非表示/違反報告)
shiba(プロフ) - カルラさん» コメントありがとうございます!神、と言っていただけるほど、楽しんでいただけたようで嬉しいです!続編にも参りますので、応援よろしくお願いします!! (2021年3月2日 13時) (レス) id: 54373bcd9b (このIDを非表示/違反報告)
shiba(プロフ) - ハチさん» コメントありがとうございます!タイプと言っていただけてすごく嬉しいです!笑これからもおうえんよろしくお願いします笑笑 (2021年3月2日 13時) (レス) id: 54373bcd9b (このIDを非表示/違反報告)
shiba(プロフ) - 巡さん» コメントありがとうございます!更新遅くて本当に申し訳ないです!!これから頑張っていきますので、よろしくお願いしますね笑 (2021年3月2日 13時) (レス) id: 54373bcd9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shiba | 作成日時:2021年1月24日 10時